お役立ちコラム

クラウド活用で成果を得るためには「まず口に出してみること」が大切

『クラウド』という言葉が登場してから、既に5年以上が経過しました。メールなどの慣れ親しんだ用途だけでなく、昨今では交通費精算や請求書送付など業務における様々な場面でクラウドが活用されています。「ウチの会社もクラウドで業務改善や経費削減を実現したい」とお考えの方も少なくないかと思います。ですが、「まず、何から始めたら良いかわからない」といった悩みも少なくないようです。実は、そうした悩みを解決するための最初の一歩は「とりあえず口に出してみること」なのです。その意味するところは何か?を以下で解説していきます。

 

 

 

 

IT企業がクラウドを提案/販売するかどうか?はユーザ次第

 

どんな業種においても、「新しくて画期的な商材」は売り手と買い手の双方に大きな変化をもたらします。クラウドはITの世界においては、まさにそうした存在です。ですので、買い手であるユーザ企業にとっては「売り手であるIT企業がクラウドをどう捉えているか?」を理解することが重要となってきます。

以下のグラフはIT企業に対して、「クラウド提案/販売に取り組む理由」と「取り組まない理由」をそれぞれ尋ねた結果です。

 

 

 

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IT企業がクラウド提案/販売に取り組む理由として最も多く挙げられた理由は「顧客からの求めに応じるため」(35.1%)で、他の項目の平均値より15ポイント近く高くなっています。一方で、取り組まない理由で最も多かったのは「顧客からクラウドを求める声が挙がってこない」(29.8%)で、これも他の項目の平均値と比べて15ポイント近く高い値です。

 

 

つまり、IT企業側としては「顧客(ユーザ企業)が求めればクラウドを提案/販売するが、敢えて自ら積極的には提案/販売しない」という姿勢であるといえます。これにはクラウド活用がもたらすメリットが深く関係しています。多くの方がご存知のように、クラウドにおいてはユーザ企業がハードウェアやソフトウェアを自ら購入/導入する必要はありません。買う側にとってはそれだけ初期費用を抑えたシステム導入が可能となるわけです。ですが、売る側であるIT企業にとっては従来よりも売上が減ることになります。そのため、将来的にはクラウドが増えていくであろうことは理解していても、今すぐ積極的に提案/販売するわけにもいかないという複雑な事情を抱えているケースが少なくないのです。

 

 

 

早い段階からIT企業の支援を受けることが得策

 

したがって、ユーザ企業としては「何も言わなくても、そのうちIT企業側からクラウドについて何か言ってきてくれるだろう」といった待ちの姿勢では周囲から立ち遅れてしまう恐れがあります。もし、クラウドを活用する可能性が少しでもあるのであれば、IT企業に対して「クラウドを検討してみたいのだけれど」と切り出してみることが非常に大切です。

 

日本の中小企業は真面目で謙虚な方が多く、「ある程度、社内でも勉強や検討を進めた上でIT企業に問い合わせよう」と努力されるケースも少なくありません。ですが、クラウドは新しいシステム形態ですから、メリットや注意点をユーザ企業が自ら判断することは容易ではありません。例えば、長年利用していて運用トラブルもほとんどないグループウェアをクラウドに移行すべきか?は難しい判断です。「1ユーザ当たりの月額」で費用がかかるクラウドに移行してしまうと、逆にコスト増となる可能性があります。ですが、社外からも安全にアクセスしたいなどの他の理由がある場合は、システムを専門業者に預けるクラウドの方が総合的に見て適切な選択となるケースもあるでしょう。また、クラウドに移行する際にアプリケーションを変更しなければならないケースもあります。場合によっては使い慣れた画面や操作が変わってしまうことで、個々の社員の業務効率が大きく低下することもあります。費用を節約できたとしても、業務効率が低下したのでは本末転倒です。

 

 

このようにクラウドを導入する際には検討すべき幾つかのポイントがあります。どのポイントが重要か?は個々のユーザ企業によって変わってくるでしょう。それを見極めるためにも、外から見たプロ(IT企業)の視点と助言が重要となってくるわけです。

 

 

 

まずは「口に出してみること」から始めてみましょう

 

きちんとしたIT企業であれば、ユーザ企業にクラウドの知識がなくても何らかの形で相談に応じてくれるはずです。もし、電話やメールによる初歩的な質問に対しても対価を要求されたとしたら、今後のためにもそのようなIT企業は避けて他を探した方が無難でしょう。中小企業がクラウド活用を成功させるには、無理に自力でやろうとせず、早い段階からIT企業の支援を受けることが大切です。そのためにも、まずは「口に出してみること」から始めてみることをお勧めします。

執筆者

iwakami

 

岩上 由高(いわかみ ゆたか)

株式会社ノークリサーチ シニアアナリスト

早稲田大学大学院理工学研究科数理科学専攻卒業後、ジャストシステム、ソニーグローバルソリューションズ、ベンチャー企業数社にて、ユーザ企業に対するIT活用提案の経験を積む。ノークリサーチではこうした経験を活かしたリサーチ /コンサル /講演 /執筆活動などを担当。著書に「クラウド大全」(共著)(日経BP社)などがある。

http://www.facebook.com/yutaka.iwakami
http://twitter.com/Yuhtan

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