お役立ちコラム

「ルール変更」がもたらすビジネスチャンスを見逃さないようにしよう

2016年は「大発会から連日の株価下落」、「中東や朝鮮半島の政情不安」など波乱含みの幕開けとなりました。春以降も4月に「電力の小売自由化」、5月に「伊勢志摩サミット」、6月に「選挙権年齢の引き下げ」など大きな出来事が目白押しです。まさに「大きな変革が起きる年」となりそうな予感がします。

 

現状ではITを活用した業態の拡大/転換を実現できる企業は一部に限られる

以下のグラフをご覧ください。昨年(2015年)の10月時点で「今後、IT投資を増やす」と回答した従業員数99人以下の企業に対し、その理由を尋ねた結果の一部を抜粋したものです。

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「業態の拡大や転換にITが必要である」という選択肢の回答割合がやや高くなっています。つまり、大企業のみならず中小企業においても2016年以降の変化を見越して、業態の拡大や転換を見据えたIT投資に取り組んでいる企業が存在することになります。とはいえ、IT投資額を増やすことのできる中小企業は限られます。そこから更に業態の拡大/転換を実現できるケースはごく一部です。「ITを活用した業態の拡大/展開といっても、ウチの会社にはあまり関係ないのではないか?」と感じられている方も少なくないのでないかと思います。

 

2016年は大富豪ゲームの「革命」のようなことが始まるかもしれない年

ですが、「大きな変革の起きる年」である2016年以降は多くの中小企業にとって良い意味での変化をもたらす可能性があります。「大富豪」というトランプゲームをご存知でしょうか?2を最も強い札、3を最も弱い札としてカードを切っていくゲームです。前回のゲームで最下位だったプレイヤーは1位だったプレイヤーに手持ちのカードのうち最も強い札を差し出さなければなりません。つまり、「強い者はより強く、弱い者はより弱い」といった状態が続いてしまいやすくなります。ところが、3のカードを4枚揃えて出すと「革命」が起きます。すると、札の強弱の順序が正反対になるのです。(3が最も強く、2が最も弱い)その結果、プレイヤーの順位が一気に逆転することもあります。

 

今後はこの大富豪ゲームにおける「革命」のようなことが起きるかも知れません。例えば、冒頭に挙げた「電力の小売自由化」などはその一例です。異業種が次々と参入し、従来と全く違った視点からの競争が展開されることになると予想されます。

 

中小企業もこうした「ルール変更」と無縁ではありません。わかりやすい具体例として、トラック運送業のケースを挙げてみましょう。トラック運送業は燃料価格高やアルコールチェック義務化などの規制強化などによって厳しい経営状態に置かれてきました。昨今は原油価格も落ち着いてきましたが、ドライバーの高齢化や人手不足などの悩みもあります。そのため、「IT活用で業務を効率化して収益を改善する」と言っても、予算を確保することは容易ではありません。

 

ですが、国交省の有識者会議などで検討中の取り組みがこうした現状を大きく変える可能性があります。その一例が「貨客混載」です。現在、トラック運送業が担う「貨物運送」とタクシー会社が担う「旅客運送」はそれぞれ別の法律で定められており、一方が他方を兼ねることはできません。ですが、今後の人口減少やライフスタイルの多様化を考えると、双方が個別にビジネスを続けるだけでは採算維持が難しくなる可能性もあります。そこで「トラック運送業が荷物の配送ルートを回る時に一緒にヒトも載せる」などといったことが可能になれば、1回の走行で従来よりも多くの収益を得ることができるようになります。これが「貨客混載」です。もちろん、ヒトをトラックの荷台に乗せるわけにはいきませんので何らかの投資は必要となります。ですが、従来よりも低いハードルで業態を拡大/転換できるチャンスとなることは間違いありません。この「貨客混載」が実現するのは少し先になりそうですが、「ルール変更」が既に検討されているという現状をまず知っておくことがとても大切なのです。

 

 

 

こうした「ルール変更」が起きつつある業態は他にもありますし、今後も新たな「ルール変更」が次々と検討されていくと予想されます。「大富豪ゲーム」では革命がいつ起きるか?のタイミングを見計らうことが重要ですが、ビジネスにおける「ルール変更」も同じです。多くの企業が業態の拡大/転換を終えた後から取り組みを始めても周回遅れとなってしまいます。一歩進んだ企業になるためにも、2016年以降に起きる様々な「ルール変更」に日頃から目を光らせておくようにしましょう。

執筆者

iwakami岩上 由高(いわかみ ゆたか)

株式会社ノークリサーチ シニアアナリスト

早稲田大学大学院理工学研究科数理科学専攻卒業後、ジャストシステム、ソニーグローバルソリューションズ、ベンチャー企業数社にて、ユーザ企業に対するIT活用提案の経験を積む。ノークリサーチではこうした経験を活かしたリサーチ /コンサル /講演 /執筆活動などを担当。
著書に「クラウド大全」(共著)(日経BP社)などがある。

http://www.facebook.com/yutaka.iwakami
http://twitter.com/Yuhtan

 

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