お役立ちコラム

続・ネットショップで売れていない方へ
~売れない理由と改善のヒント

平成28年の日本国内のBtoCでのネットショッピングの市場規模は、15.1兆円(前年比9.9%増)まで拡大しました。その影響で、大手運送会社ですら配送が困難になり、運送会社の撤退や値上げなどによって連日大きな話題となっています。私も週に一度はネットショッピングで何かを購入しているユーザーの一人のため、様々な思いを抱えながら行方を見守っています。そんな「すごい売れてる」感のあるネットショップですが、売れている店もあれば売れていない店もあるのが現状です。以前のコラムでは、売れていないネットショップが行うべき分析、使うべき販促ツール、高速PDCAについて書きましたが、売れない理由や原因についてはあまり触れませんでしたので、今回は売れないショップの特徴=売れない理由について書かせて頂きます。

経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました~国内BtoC-EC市場が15兆円を突破。中国向け越境EC市場も1兆円を突破~」より引用

http://www.meti.go.jp/press/2017/04/20170424001/20170424001.html

売れていないショップの特徴

ネットショップは商品を実際に手に取って触って確認することができないため、売れる理由も売れない理由もほとんどが「目で見える」部分にあります。見た目であったり説明文であったりと目に見えるものですが、中には仕組みであることもあります。私の経験からですが、売れていないショップにはこのような特徴があります。

売れていないショップの主な特徴(売れない理由)

・商品ページの情報が不足している。
購入に際して必要な情報(送料、消費税、メーカー名、製品型番、商品レビュー)、購入後の利用に必要な詳細な情報(商品の大きさや材質(材料)、商品の仕様など)の記載が無い、または内容が不足している。
・返品や交換ができないため、顧客にとってリスクが高い。
商品の初期不良、配送時の破損、注文品と異なる商品の到着など、返品や交換の必要が発生した際の手順や条件などが明記されていない。
・ショップのデザインや構造・機能に凝りすぎている。
目が痛くなるような派手なデザイン、多数の動く画像、多すぎる多商品へのリンクバナー、細かすぎる商品カテゴリー、深いページ階層など、凝った造りとなりすぎている。
逆に、シンプルすぎるデザイン、商品画像の使いまわし、文字リンクバナーの多用、大雑把なカテゴリー分け、浅すぎるページ階層など、簡素化しすぎている。
複雑な会員制度への登録が必要。毎回ログインが必要。入会金が必要。買い物かごから決済画面までが複雑など、購入までのハードルが高い。
・誰が運営しているのかわからない。
ショップサイト内を隅々まで探しても運営者の情報が見当たらない。
運営会社の会社名はあるが、代表者名が無い。など連絡先情報が不足している。
・支払い方法が不便。
支払い方法の記載が無い。代引きのみ、銀行振込のみ、カードのみなど支払い方法の選択肢が少ない。支払い手数料が一般的な金額より高い。など顧客が支払いに不都合を感じる。
・特徴が無い、分からない。
他社と見間違えるほど似ている。メーカー提供の写真や文章ばかりを使っている。何屋なのか分からない。など特徴や独自性に乏しく、そのショップを選択する理由が無い。
・そもそも商品力が無い。
いつでもどこでも買える。必要が無い。買ってもメリットが無い。など商品力が低い商品で勝負をかけている。

思い当たるところはありましたでしょうか?一言でまとめると「不明・不便・不安があるショップ」ということになります。ものすごい数のネットショップがあふれる今のネット環境で、たまたま見つけたあなたのショップに不明点があれば、質問する人もいるはずですが、その前に、もっと丁寧に説明が書かれている別のショップに行ってしまう可能性もあります。不便な点があればもっと便利なショップに、不安があれば安心できるショップに顧客が行ってしまうのは当然です。

売れない理由を作ってしまった3つの原因

1.顧客目線で〇〇してない。
「このくらいで売れるでしょう」と自分本位で考え、顧客が求めているレベルに達していない。
2.根拠の無い思い込み。
客観的なデータを使わず、主観的な考えで対応している。
3.商品が好きじゃない。商品をよく知らない。
販売している商品を顧客に薦めるのにためらいがある。

1は顧客の立場からものを考えず、悪い言い方ですが「手抜き」をしてしまったり、運営者側の都合を通してしまったパターンです。
2は自社の顧客の傾向をデータで判断せず、経験や勘で方向を判断してしまうパターンです。一度思い込んでしまうと暫く続けてしまう悪循環に陥ることもあります。前回書きましたが、データを分析することは非常に重要です。
3は主に担当者(社員)などに見られます。とにかく売れそうだったから飛びついてみた商品、経営者から売れと言われた商品など、自分で納得していない商品は顧客にも薦めづらいものです。

改善の方向性のヒント

アクセス数や売れる商品の傾向など客観的なデータを用いた様々な分析を行った後、このようなポイントの改善を検討してみてはいかがでしょうか?

・必要事項の記載
プライバシーポリシー、連絡先などの特定商取引法に関わる内容は必ず記載し、分かりやすい箇所にリンクを張る。
・デザインの改善
統一化(色、フォント、サイズ、文章(ですます))を行い、見た目を洗練させる。デザイン性が低いショップページなどの場合、デザイナーを起用して脱・素人ページを目指すのも効果的。
・構造・機能の改善
商品カテゴリーや検索機能の追加、レコメンデーションシステムの採用、閲覧者の心理を読んだタイムリーな情報表示などによるユーザビリティの改善。
・丁寧な商品説明、ご利用ガイドv

顧客目線で必要と判断した内容を網羅した商品説明に、一歩踏み込んだ詳しい内容など「プラスアルファ」の情報を追加する。・運営者の姿・声、人気(ヒトケ)顧客が、これから買おうとしている商品を扱っている会社(経営者)の姿を確認することで安心感につなげる。また、先に購入した顧客の声(レビューなど)の人気(ヒトケ)を掲載し安心感につなげる。

まとめ

売れない理由はショップによって様々で、ほとんどの場合複数あります。「不明・不便・不安があるショップ」になってしまったのは、いったいなぜなのか?と考えるとき、もし、自分が客観的になれていない、顧客目線で考えられていないと感じた場合は、専門家に相談して客観的な視点で評価してもらうのも良いと思います。
「売れない理由」を消していき、その後、「顧客が選ぶ理由」を作り出して売り上げを伸ばしましょう!
売れなくて困っているショップ運営者の改善のきっかけに少しでもなれれば幸いです。

執筆者

namiki

並木 博(なみき ひろし)

一般社団法人 千葉IT経営センター 登録コンサルタント

なみきIT経営支援オフィス 代表

2013年ITコーディネータ認定(認定番号0103682012C)

 

大手電機メーカー系列会社、放送機器メーカーにPG/SEとして勤務し、官公庁や放送局などの数多くのシステム開発に携わる。その後、ネット通販会社に勤務。販売に関わる全ての業務責任者を兼任し売り上げを入社時の約20倍まで伸ばす。千葉県内の商工会にIT推進員、経営再建支援相談員として勤務し東日本大震災後の中小企業を支援する。現在、東京都や千葉県の小規模事業者を中心に中小企業を支援中。

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