お役立ちコラム

IT導入補助金の一次公募がスタート、IT導入は今がチャンス!!

2017年1月27日に「サービス等生産性向上IT導入支援事業(以下、IT導入補助金)」の一次公募が開始されました。中小企業・小規模事業者の皆様が、ITツール(ソフトウエア、サービス等)を導入する際に経費の一部が補助される当補助金ですが、初期投資コストの負担がネックとなりIT導入を躊躇せざるを得なかった企業の方々にとっては、またとないチャンスと言えます。

本稿では、IT導入を検討されている中小企業・小規模事業者の皆様にとってメリットの大きいIT導入補助金について解説を致します。

IT導入補助金とは

IT導入補助金は、平成28年度第二次補正予算にて組まれた補助事業で、その目的として「中小企業・小規模事業者等がITツール(ソフトウエア、サービス等)を導入する際の経費の一部を補助することで、中小企業・小規模事業者等の生産性の向上を図ること」が掲げられています。補助率は2/3以内、補助上限額は100万円となっています。

 

 

サービス等⽣産性向上IT導⼊⽀援事業(IT導入補助金)

  • 対象となる事業者:日本国内に本社及び事業所を有する中小企業者等
  • 予算額:100億円の内数
  • 補助率:2/3以内
  • 補助上限額:100万円
    下限額:20万円
  • 公募期間:平成29年1月27日(金)〜平成29年2月28日(火)17時まで
  • 事業実施期間:交付決定以後~平成29年5月31日(水)
  • 事務局:一般社団法人サービスデザイン推進協議会
  • URL:https://www.it-hojo.jp/

 

補助対象となるのは、事務局によって認定された「IT 導入支援事業者」(SIヤー、ITサービス事業者、ITコンサルティング会社、等)が登録したITツールを導入する場合に限られています。ITツールは、「IT導入支援事業者」によってあらかじめ事前申請されており、事務局の承認を受けたものが補助対象サービスとして事務局のホームページに公開されています。ITツールには、ソフトウェアやシステム開発だけでなく、クラウドサービスやスマートフォン向けのアプリ開発、ホームページ制作なども含まれています。また、ITツールが対象とする業務範囲も、顧客管理や販売管理、予約システム、ECサイトなど多岐にわたります。

 

登録されている「IT導入支援事業者」、並びにITツールは、以下リンク先より確認することが可能です。

https://it-hojo.secure.force.com/shiensearch/

 

補助対象となる事業者

当補助金が補助対象とする事業者は、日本国内に本社、並びに事業所を有する中小企業等となっており、個人事業主も含まれます。「中小企業等経営強化法」により規定されている中小企業に加えて、企業組合、協業組合などの組合関連や、医療法人、社会福祉法人、並びに特定非営利活動法人も対象となります。

 

申請は1事業者あたり1回のみ可能であり、支社や支店単位からの個別申請は認められていません。

補助事業期間

公募期間は、公募が開始された1月27日(金)から2月28日(火)までとなっており、約1ヶ月というやや短い期間になります。申請を検討されている方は、IT導入支援事業者へのコンタクトや申請内容の作成など、早めに準備に取り掛かる必要があるでしょう。

また、事業実施期間は交付決定後から5月31日(水)までとなっており、他の補助金と比べると大変短い期間となっています。この期間内に発注を行った上でIT導入を終え、支払を済ませる必要がありますので、導入スケジュールについては注意が必要です。

申請方法

申請は、IT導入支援事業者が、申請者の代理として申請代行を行う形となっています。申請を希望する企業は、申請に必要な情報を作成するとともに、IT導入支援事業者に申請代行の依頼を行う必要があります。

申請に必要な情報として、企業の基本情報(申請様式あり)の他に、事業計画が求められています。事業計画は、申請様式に則った形でITツールの導入による業務効率化等の目標を設定するとともに、生産性向上に係る取組について、その内容を記載する形となっています。

申請内容は、主にこの事業計画の内容によって審査され採択されるかどうかが決まりますので、事業計画の作成は補助金申請において最も重要な作業と言えます。

事業計画の内容

申請時に必要な事業計画は、主に「(1) 事業課題と計画」と「(2) 計画数値」の2つのパートで構成されています。「(1) 事業課題と計画」のパートでは、事業概要や事業改善についての取組、事業課題や将来計画などについて、項目リストからの選択とともに補足説明として文章による記載を行う形となっています。

事業計画の作成にあたっては、公募要領に記載されている審査項目の内容をふまえて記載内容を検討することが重要となります。今回の公募要領では、以下のような審査項目が挙げられていますので、これらの点をおさえて評価を得られるように記述を行うことが大事です。

 

 

審査項目

審査基準

事業面からの審査項目

(1)事業面の具体的な審査 以下の①~⑤についてそれぞれ具体的な検討がなされているか

  • 業務改善についての取組
  • 自社事業の市場における強み・弱み
  • 事業課題
  • 将来計画
  • IT導入により実現したい効果
(2)補足説明事項の審査
  • 経営改善に向けた具体的な問題意識を持ち、自社の強み・弱みをきちんと理解しているか
  • 事業課題に対する将来計画は整合性が認められるか
  • 自社の状況や課題、将来の計画に対して、「ITツールの利活用」という解決策がマッチしているか
  • 事業実施地域のモデル的な取組であるか

平成28年度補正 サービス等生産性向上IT導入支援事業 公募要領より抜粋

 

「(2) 計画数値」のパートでは、“売上”や“粗利益”、“労働生産性”などの数値項目について、直近の実績値、並びに4年間の計画値を設定します。補助を受ける条件として、「労働生産性が、補助事業の実施によって3年後の伸び率1%以上、4年後の伸び率1.5%以上、5年後の伸び率2%以上を設定すること」が掲げられていますので、これに沿った形で計画を作成する必要があります。また、数値目標として、“労働生産性”に加えてITツールによる生産性向上指数に類する独自の数値目標も併せて設定する必要があります。

 

尚、事業計画の作成については、「専門家」による作成支援を受けることが可能です。今回の場合、「専門家」とはよろず支援拠点、地域プラットフォーム、並びにミラサポに在籍・登録のある専門家、またはIT導入支援事業者社内にITコンサルティングの経験があり、その能力を有する者のことを言います。事業計画の作成に際しては、是非、これらの「専門家」の支援を受けて、充実した事業計画を作成していただければと思います。

 

《参考URL》

審査における評価項目

審査項目には、関連事業に係る取組の審査として、以下の内容も挙げられています。

 

審査項目

審査基準

政策面からの審査項目

(4)関連事業に係る取組の審査
  • 「おもてなし規格認証2017」(紅、金、紺、紫認証のいずれか)を取得しているか
  • 補助金の額が50万円以上の場合、専門家による事業計画の作成支援を受けているか
  • 補助金の額が80万円以上の場合、「中小企業等経営強化法」に基づく経営力向上計画の認定を受けているか

平成28年度補正 サービス等生産性向上IT導入支援事業 公募要領より抜粋

 

評価対象となりますので、是非、これらの項目について対応を行い、事業計画にその旨を記載いただければと思います。申請する補助金の額が大きい程、審査基準が増える形となっています。

 

《補助金申請額が20万円~50万円未満の場合》

・「おもてなし規格認証2017」を取得しているか

「おもてなし規格認証」は、サービス産業の活性化と生産性の向上を目的として、サービス品質を見える化するために設けられた規格認証制度です。以下のおもてなし規格認証ホームページより、認証を受けることが可能です。

 

おもてなし規格認証ホームページ https://www.service-design.jp/

 

サービス品質を見える化する30項目のうち、15項目以上に該当することで「おもてなし規格認証」に認定されます。ホームページ上で各項目に該当するかどうかの選択を行うだけの簡単な手続きとなっていますので、認証を受けられることをお勧めします。

 

《補助金申請額が50万円~80万円未満の場合》

・「おもてなし規格認証2017」を取得しているか

・専門家による事業計画の作成支援を受けているか

 

事業計画の作成において「専門家」による支援を受けた場合、事業計画にそれに関する必要情報を記載します。「専門家」の支援は無料で受けられますので、支援を受けた上で申請されることをお勧めします。

 

《補助金申請額が80万円~100万円の場合》

・「おもてなし規格認証2017」を取得しているか

・専門家による事業計画の作成支援を受けているか

・「中小企業等経営強化法」に基づく経営力向上計画の認定を受けているか

 

経営力向上計画は、2016年7月に施行された「中小企業等経営強化法」に基づき新設されたもので、中小企業が経営力向上のための人材育成や財務管理、設備投資などの取組を計画書として作成し、事業所管大臣により認定を受けることで各種支援が受けられる制度です。認定を取得している場合、認定証を提出する形となりますが、申請中の場合であってもその旨を記載することが可能になっています。ただし、注意が必要となるのは、申請中の場合には最終的に認定を受けたことが確認されるまでは交付決定が行われないという点です。交付決定が行われないと補助事業を実施することができませんので、事業実施期間、並びにIT導入スケジュールを勘案しながら判断を行う必要があります。

おわりに

今回のIT導入補助金は、中小企業・小規模事業者の皆様にとって、生産性向上を図るためだけでなく売上向上を実現するための機会としても活用いただけるものと考えます。時期は未定ではありますが、二次公募が行われることが明記されていますので、一次公募にはスケジュールが間に合わない場合であっても諦めずに、当補助金への申請をご検討いただければと思う次第です。

執筆者

matsumoto松本年史

KSFコンサルティング 代表

https://www.facebook.com/KFScns/

約15年間にわたり、主に外資系IT企業において新規開拓営業に従事した後、経営コンサルタントとして独立。独立前の10年間は、データ分析ソフトウェア(BI/BA)の導入を通じて、顧客企業の意思決定システムやマーケティング自動化システムの構築支援を行う。独立後は、ITコーディネータ/中小企業診断士として、中小企業を中心にコンサルティングを提供。Webマーケティングを含むマーケティング戦略の立案から営業支援まで、顧客企業の売上拡大に向けた取組みを幅広く支援している。2016年4月より、東京商工会議所のWeb戦略パートナーとして活動中。

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