ICT活用実践企業紹介

社内共有カレンダーで生産性向上

美容室N社

十数名在籍しているスタッフ教育にも大変熱心で、外部練習会に積極的に参加させたり、逆に、店長やベテランスタイリストには、他のサロンへの講師派遣をも行っている。経営にも真摯に取り組んでおり、月次収支からサロン経営指標まで毎月のミーティングで全従業員向けに情報公開している優良サロンである。

 

幹部のスケジュールがいつもわからない…。

そんな優良サロンで、忙しいN社だが、以前から大きな悩みがあった。それは、オーナーや店長など幹部の予定が把握しづらくスケジュール調整がいつも難しいとのことだった。

それはそうである、幹部は、海外遠征、研修会、外部練習会、講師派遣、そして打合せなど、いつもバタバタしている。もちろん携帯電話やLINEで聞けば教えてくれるが、その都度確認をとらないといけない。たまたま予定が空いていれば、問題ないが、既に予定が入っていると、その調整で何度もやり取りしなければならない。また、すぐ返事がもらえればいいが、忙しくしてすぐもらえない時もよくある。

その為、店に残されているスタッフは、お得意様の予約や店内のあらゆる決済打合せの日程調整がいつも難しいとストレスを抱えていた。

 

携帯端末で社内スケジューラーを管理

ここで当然、グループウェアやスケジューラーを検討したいとこだが、普段からパソコンを使う環境のない美容師は総じてパソコンスキルが低い。

しかし昼過ぎから夕方の空いた時間帯は、携帯をいじっているのをよく見かける。N社幹部も例外なく、全員パソコンは殆ど使えないが、携帯は使いこなしていた。しかも従業員全員がiPhoneに切り替えているとのこと。

そこで、iPhoneを使って店全体のスケジューラーを作り、外部行事の「海外遠征、研修会、外部練習会、派遣、そして打合せ」から、内部行事の「ミーティングや打合せ」などを統合してiPhoneから一括入力するルールをつくることにした。使ったツールは、「iPhoneカレンダー」「Googleカレンダー」「Yahoo!カレンダー」である。

なぜ、わざわざ3つ使ったのかというと、どれも一長一短であり、それぞれのいいとこどりしたほうがより実戦的に使えるからだ。

  • 「Googleカレンダー」:デフォルトのスケジューラーとして最も使いやすい。しかし携帯アプリは、月次表示ができないため、見づらく入力しづらい。
  • 「Yahoo!カレンダー」:スケジューラーとして機能はGoogleより劣るが、携帯アプリとしては非常に使いやすい。あくまでも入力用として使う。
  • 「iPhoneカレンダー」:「Googleカレンダー」と「Yahoo!カレンダー」の同期中継として活用。「Googleカレンダー」と「Yahoo!カレンダー」は直接同期しないため、初めに「iPhoneカレンダー」と「Googleカレンダー」同期設定を行い。その後「Yahoo!カレンダー」をインストールして同期を行う。

 

矢印
同期
Googleカレンダー

 

保留案件数が減り、社内の生産性が高まる

機種の違いやアップデートの進捗状況によって最初戸惑う場面があったものの、簡単な設定と使用方法の説明で、あっという間に社内共有カレンダーができた。

今まで、手間取っていったスタッフと幹部の調整回数が減り、そして何よりも社内ミーティングの欠席数が格段に落ちた。欠席数が減れば、保留案件数が減り、間接的に社内の生産性が高まることとなったのである。

以前は、幹部が成り行き的に社内スケジュールを決めており、その都度、都合がつかないスタッフがいたが、社内共有カレンダーへの入力と確認が容易にできるようになると、そのスケジュールに沿って、幹部もスタッフも新しい予定も調整できるのである。

「いや~こんな便利なものは、もう手放せません。店全体の生産性が高められるものであれば、IT活用は今後もどんどんやっていきたい。」とN社オーナー。

「少ない人財でいかに業務効率を高めていくのか」が美容業界の大きな課題であるが、こういった地道な改善が結果的に大きな成果につながっていくことを確信できる事例である。

美容室N社

当店は、創業20年になる美容室である。オーナーは、パリコレクションのスタイリストとして、ほぼ毎年海外遠征しており、技術志向サロンとして地域の信頼が高い。

野村忠史野村 忠史(のむら ただし)

ナインソーツコンサルティング株式会社 代表

1971年生まれ。販売力強化コンサルタント。中小企業診断士。

営業会社入社後、最下位スタートであったが、独自ノウハウを構築し、1年後に200人のトップに。さらに80人中3人選出の最優秀賞に、新人2人を受賞させる。

その後、13年間あらゆる業種業態で一貫して営業職と勤め、常に上位10%にキープ。

経営コンサルとして独立後は、あらゆる業種業態に再現できる「売れる仕組み」を独自に考案し、2014年ナインソーツコンサルティング(株)を設立。

年間100件以上のコンサルとセミナーを通して、全国各地の中小企業の販路拡大・販売力強化支援を行っている。

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