お役立ちコラム

「管理会計ソフト」を使っている組織では、なんちゃって経営分析のために多くの労力を費やしている!

そもそも「管理会計ソフト」で「経営分析」はできるのか?

今回のテーマは、「管理会計ソフト」です。管理会計ソフトは財務会計ソフトのオプション機能として提供されているケースが大半です。通常、財務会計ソフトのデータを利用して集計・分析等を行っているので、当然そうなるのです。なお、ここで言う「管理会計ソフト」には、クラウド管理会計サービスなども含まるものとご理解ください。

「管理会計ソフト」は、一般的には「経営分析」が出来ると謳っており、多くの組織において、「管理会計ソフト」は「経営分析」のために利用しているのです。しかしながら、多くの組織が「管理会計ソフト」に不満を抱いています。それもそのはず、「管理会計ソフト」で実現できる経営分析は、大抵は「なんちゃって経営分析」だからです。「管理会計ソフト」ができると言っている「経営分析」と経営者が思う「経営分析」には、大抵の場合、ギャップがあるのです。クラウドであれ、オンプレミスであれ、財務会計データに基づいてサービスを提供してるなら、結局は「なんちゃって経営分析」にしかならないのです。

「管理会計ソフト」の「経営分析」は実態としては「財務分析」である

財務会計データを利用した「経営分析」は、「財務分析」と捉えるのが正解です。「財務分析」として利用するなら、それなりに役には立つでしょう。
でも、「経営分析」と謳ってしまっており、「経営分析」に役立つように利用することを無理強いされているケースが結構目立ちます。そこでは、無理やり「経営分析」に持っていくために、不合理な手間が要求されたり、余計なデータの入力をたくさん求められたりして、販売管理業務や経理業務の生産性の低下やミスの増大などを招いています。
適切に使用した結果の蓄積によって「経営分析」ができるべきなのに、「経営分析」のために、余計な手間をかけて生産性の低下やミスの増大を招いているのですから、明らかに本末転倒です。

これで分かる!「経営分析」と称する「財務分析」の罠にはまるBADチョイス

さて、あなたの組織の「管理会計ソフト」は「経営分析」の役に立っているかどうか、役立っているとして、そのためにかかる手間や入力が求められるデータは、妥当と言えるか、あなたは把握していますか?

「大丈夫。わたしの組織では、「管理会計ソフトは十分に役立っている」」と思ったとしても、以下のチェックリストで念のため点検してみてください。もしかすると「役立っていると思い込んでいた」だけかもしれませんから…

以下のチェックリストに当てはめてみて、もし、一つでも当てはまるなら、「経営分析」と称する「財務分析」の罠にはまってしまったBADチョイスに陥っている可能性大です。そうならば、業務の生産性低下という悪影響が間違いなくあるはずです。

チェック1:決算書項目を利用しただけの経営分析になっていませんか?

よくある事例がこれです。「経営分析」と謳ってはいますが、内容はほぼ「財務分析」です。先程も述べたように、財務データ上の項目だけを使って、あれこれ計算しているだけなので当然と言えば当然です。

時系列の分析結果は、一見役立ちそうですが、それも「財務分析」どまり。決算書の項目だけを利用しているなら、なおさらです。
財務データ上の項目だけでは「経営分析」と称する「財務分析」に翻弄されるBADチョイスに陥りやすいので、ご注意下さい。一度、点検してみましょう。

チェック2:管理会計用として、財務会計には必要のない仕訳データを入力するはめになっていませんか?

これもよくある事例です。財務会計上は全く必要ないのに、管理会計の都合で仕訳データを余計に登録するはめになっているケースに多く遭遇します。会社全体でよければ一枚分の仕訳で済みますが、部門別とか事業別とかにするために、複数枚分の仕訳データを登録しています。仕訳の性質上、貸借の整合はチェックされますが、複数枚の伝票にまたがるチェックはできません。

分けることで金額を間違えたり、場合によっては財務会計上の数字までおかしなことになったきたり、ロクなことになりません。部門別とか事業別とかの視点の問題ではなく、このような分析を管理会計で行うことの問題なのです。
心当たりがあるようでしたら、管理会計に翻弄されるBADチョイスの状態かもしれません。こちらも、点検してみましょう。

チェック3:経営実態を反映しない「経営分析」を漠然と続けてしまう?

もし、現在行っている「経営分析」をやめたらどんなメリットがあるのか、一度、確認してみることをお勧めします。確認する際は、「経営分析」の結果を得るまでに担当者にかかっているすべての負担(時間と考えてもいいでしょう)も含めることもお忘れなく。

その上で、改めて、本当に必要な情報はなにかを考え、経営実態が凝縮された情報を定めください。併せて、その情報を入手するための負担も想像してみて下さい。そして、現状と比較してどちらがいいか、じっくり検討してみて下さい。

場合によっては、スクラップアンドビルドした方がいいのです。捨てることをためらって今ある仕組みをそのままにして放置すれば、実態を反映しない「経営分析」を漠然と続けるBADチョイスにはまってしまいます。

なお、現在行っていることを止めてみたらどうなるか、などということは、担当者ではなかなか言い出せません。ですから、このような点検は、責任ある立場の人物が言い出さない限り、まずは行われません。この点、充分に注意して下さい。

如何でしょう。皆様の組織が、ここに挙げたBADチョイスに一つでも該当するようなら改善を検討して下さい。
というより、ここに挙げたようなBADチョイスに心当たりがあるなら、今すぐその仕組みを破棄して再構築して下さい。結果的には、ほぼ間違いなく、それが最善策となりますので。

以上、組織における「管理会計ソフト」の活用実態や業務の生産性を悪化させる問題などを中心にお話ししました。ここに示したことについて、「ひょっとしたらうちの組織も…」と感じる方は、ぜひ、現状を点検してみてください。そして、点検の結果、問題が発見されたなら、改善(というより再構築)に取り組んでください。

改善や再構築にあたっては、経営の核心を突く情報を見極めることが重要になります。本当に必要な情報とは一体どんな情報なのか、今一度考え、是非とも、核心を突く情報を練り上げてください。
なお、情報が多すぎると、大抵はうまくいきません。個々の情報のインパクトが低下し、情報を受けて取るべき行動もあいまいになりがちです。情報は練り上げ、そして絞り込んでください。

本コラムを参考に、自分達の組織にとって本当に役に立つ「経営分析」とは何かを考え、経営の核心を突く情報を入手できるようになって頂けることを願っております。そして、そのことにより、みなさんが所属する組織の生産性の向上を実現して頂ければ幸いです。