お役立ちコラム

あなたのサイトのコンバージョン率を高めるポイント

自社サイトと向き合い、SEOやアクセス解析(Googleアナリティクス)、PPC広告などに件名に取り組んでいる、あなた。ひょっとしたら「何のために」それらに取り組んでいるのか忘れ去っていないだろうか?

私達のようにビジネスサイトを運用しているとアクセスアップへの取り組みに気が奪われ、サイトの目標であるコンバージョンを高める取り組みが、ただアクセス数を増やすことだけの方法に偏りがちだ。

1000アクセスで50件のコンバージョンを、3000アクセスで150件のコンバージョンにすることを目指してしまう。それに伴いSEO、アクセス解析、PPC広告などに時間と費用を費やすことになり結果的に収益率を悪くする結果を招く。時間も費用であるのだから費やす時間は収益が上がる取り組みに費やすべきだ。

一定のアクセスとコンバージョンが得られたら、次の段階で行うべき取り組みはコンバージョンの率を上げる取り組みだ。1000アクセスで50件のコンバージョンを、同じ1000アクセスで80件のコンバージョンにする、コンバージョン率5%→8%にする取り組みを行うのだ。コンバージョン率を高める方法は分かればマーケティングに費やすことが可能な資金が増え、その結果、ライバルに勝つ上で必要な推進力を得られる。

ただし、闇雲にコンバージョン率の改善(最適化)に着手する前に、まず、知っておいてもらいたいポイントがあるのでご紹介しよう。

コンバージョンを妨げる「負の感情」を軽減せよ

コンバージョンを妨げる最大の要因はなんだろう。それは閲覧者が抱く「負の感情」だ。
「負の感情」を軽減することが出来ればコンバージョンまでの妨げが解消されコンバージョン率は必ず上がる。しかし、実際に何をすればいいのだろうか?「負の感情」を軽減するためには、まずは、「負の感情」が何かを理解し、「負の感情」を除去する取り組みに着手する必要がある。

「負の感情」とは「与えられたものに対する心理的な不快感と不安感」のことである。残念ながら、この「不快感と不安感」は、販売プロセスのあらゆる段階で起きる可能性があり、と言うよりも確実に起きるそして、サイトのどこで起きるのかを特定するのは、容易ではない。

負の感情 その1【不快感】

あなたのサイトにある「不快」を分類する方法、そして、サイトで不快が起きる可能性がある場所を特定するためのチェックポイントを挙げていく。あなたのサイトをチェックする、一つの視点として活用すると良いだろう。

▼複雑さへの不快感

この類の不快は、必要以上にに状況を複雑化することで発生する。コンバージョンのプロセスが複雑になると、それだけ、不快が増す確率は高くなる。

  • 情報の中から別の情報を参照させたり必要以上に情報を提供していないか?
  • テーマとは無関係なトピックや問題を取り上げていないか?
  • フォームに不要な項目を設置していないか?
  • 初心者に分かりにくい用語やコンセプトがないか?

▼情報への期待とギャップによる不快感

情報を紹介する、もしくは、紹介しないことで、不快が生じる可能性がある。次のチェックポイントでページ上の情報を分析してもらいたい。

  • 閲覧者が判断できるだけの十分な情報を与えているか?
  • 閲覧者が求めている可能性のある詳しい情報を提供しているか?
  • 閲覧者が持つ疑問に対する答えや不満を解消できる方法を提供しているか?
  • 情報は、論理的にまとめられているか?
  • 情報はスムーズに読み取ることができるか?

▼デザインに対する不快感

ページデザインに不快を感じることもある。顧客の大半が「もう少し見やすくすれば良いのにな」という反応をしているなら、当該のスタイルを変更するべきかもしれない。既存客へのアンケートで確認してみよう。

  • 顧客の大半は、デザインのスタイルを嫌っている、あるいは、気に入っているか?
  • 十分にスタイルに気を配り、閲覧者を魅了するデザインを用意しているか?
  • ヘッドラインとコンテンツに対するテキストのサイズは適切か?
  • ボタンに適切な色を用いているか?
  • 価格を明確に表示しているか?
  • 背景の色とテキストのバランスが取れ、読みやすいコンテンツを提供しているか?

デザインなど視覚的な要素は上げればきりがないが、コンバージョンに与える影響も、その分だけ多岐に渡って多い。根拠のない仮説や私感で変更してしまわないように注意が必要だ。

▼時間的な不快感

コンバージョン率と時間の関係は重要だ。 当然だが、ページの読み込み時間だけを考慮すればいいわけではない。閲覧者が初めてページを訪問してから、最終的なコンバージョンに到達するまでの時間が重要となる。

  • ページを閲覧する、読む、または、スクロールするのに時間がかかり過ぎていないか?
  • フォームの入力項目は多過ぎないか?
  • コンバージョンを急がせていないか?

心理的に不快を感じる原因を発見するのに有効なのが、第三者や知人、親戚、友人などに協力してもらい尋ねるアプローチだ。ここで上げたポイントを、あなたのサイトに当てはめてアンケートを作って回答してもらうのだ。どこで閲覧者は不快を感じたのだろうか?多かったポイントを記録し、各種の変更を行い、それぞれをA/Bテストで確認するといいだろう。

負の感情 その2【不安感】

不快を取り除き、コンバージョン率を向上させるためにコピーの変更、配色の改善、画像の修正などをしてA/Bテストを繰り返すのであるが、実は、その裏側に潜む、複雑に変化する人間特有の認識、そして、心理的な反応を見過ごしてしまうことが多い。
その一つが、不安だ。ショッピングサイト(ECサイト)では、不安を抱えている場合、ほとんどはコンバージョンしない。そのため、顧客の不安を取り除く取り組みを実施する必要がある。
それでは、不安を大幅に煽るサイトの特徴を幾つか挙げていってみよう。

▼コンテンツが曖昧

サイトのコンテンツが、分かりにくい、誤解を招く、あるいは、響きがおかしいなら、大きな不安を閲覧者に与えてしまう。人間は心理的に、新たな体験を安定化する、もしくは明確化するものを欲する。従って、サイトのコンテンツが閲覧者の心理状況に不均衡をもたらす場合、不安を煽ってしまう。
不安を煽ってしまう要素を幾つかご紹介しよう。

  • 誤字・脱字がある。文法を誤って利用している。
  • コンテンツの量が少ない。
  • 証明されていない図表をもちいていたり、誤った情報を掲載している。
    度を超えた推薦(実態のわからないお客様や取引先からの)を掲載する。
  • 感嘆符の利用が多い。
  • とても感情的な表現を用いる。(「すごい!」「信じられない」「えっホント!」etc)

▼広告または広告のような要素が多すぎる

パソコン、スマホを閲覧すると、毎日、大量の広告を目にする。自分に興味の無い広告は自然に無視する習慣が染みついているのだ。売込みを避けるために、ある程度、疑った目で広告を見る傾向がある。
よって、多数の広告があなたのサイトに掲載されている場合、軽度の不安をもたらし、その結果、閲覧者は見ているコンテンツを信じられなくなるか、あるいは、ページを去ってしまう。

▼見慣れていない最新のデザインや独特のアプローチをしている

人間は、慣れ親しんだ環境を求める。馴染みのない、もしくは、意外なものは不安をもたらす。ウェブサイトが、最先端のデザインの手法や独特のアニメーション技術を用いているなら、好奇心をそそる可能性もあるが、コンバージョンの確率を下げる程度の不安を生み出す可能性もある。実証済みの見慣れたデザインが、無難なのだ。

▼信用情報が掲載されていない

「サイト運営者の実態が見えない」「ビジネスサイトで電話番号記載が無い」「販売サイトで“特定商取引法に基づく表記”の記載が無い」「プライバシーポリシーの記載が無い」など信用情報が掲載されていない場合、それは不安感・不信感に直結する。閲覧者の視点に立って考えた場合、あなたはそのサイトでコンバージョンするだろうか。

▼フォームで多くの情報を求め過ぎている

コンバージョンの最終ポイントともいえるフォームは、非常に重要度が高い。フォームから情報を求める項目が多過ぎると、不安を煽ってしまう可能性がある。
特にネットでの情報のやり取りに関しては、プライバシーとセキュリティを重視している人が多い。個人に関する詳細情報を求めるサイトは、「プライバシーを侵害しているのでは」とさえ感じさせる。そのため、欲を出し、多くの情報を求めるよりも、基本的な情報に制限する方が安全だ。セキュリティに関しても重要でSSLによる暗号化は必須ともいえる。

以上、閲覧者が不安を感じる代表的な要素をご紹介した。
不安を取り除く取り組みを行う際は、同時に、信頼感を与える要素を加えるか、あるいは、既存の要素を改善して、信頼を高める取り組みも行うべきだろう。

不快感と不安感が取り除けたか判断するのはテストを繰り返すしかない

いくら「不快感」や「不安感」の潜む要素をサイトから探し出せても、それを変更し本当に、それが「不快感」や「不安感」に繋がっていてコンバージョンに影響しているのかは、どうすれば立証できるのだろう。
コンバージョン率を上げる取り組みで欠かせないのがテストなのだ。結果を出している企業サイトがA/Bテストを多用する理由がここにある。
また、テストでは「変更」や「追加」にばかり焦点があたり「削除」という変更方法があることに気付かないことが多い。要素を取り除くことが、最高の変更になるケースもあるのだ。削除は、手っ取り早くサイトを改善するメリットを持つ。単純に何らかの要素を削除するだけで、コンバージョン率を改善できたケースは意外に多いのだ。

以下に、代表的なケースを幾つか挙げてみよう。

  • 画像を削除する
    画像は視覚的にサイトを見やすく改善する場合に有効であるという考え方が定着しているが、不要な画像は、コンバージョンを妨げてしまうことがある。そのため、画像ありバージョンと画像なしバージョンをA/Bテストして、影響を確認してみるといい。
  • 動画を削除する
    最近では動画コンテンツが注目を集め、説明動画を用いて、素晴らしい成果を上げたという実例も多い。しかし、説明用の動画が、コンバージョンのプロセスを妨げるケースも実際にあるのだ。動画を見ててコンバージョンまで誘導されたかどうかは、動画ありバージョンと動画なしバージョンをA/Bテストして、確認してみるといいだろう。
  • リンクを削除する
    コンバージョンとなる「申込みボタン」「資料請求ボタン」などに誘導される間に、コンバージョンの要素ではないクリック可能なリンク/ボタン/画像が設置されていないだろうか。これはランディングページにおける大きな過ちの一つだ。ランディングページを離れ別の内部ページやサイト外部のページへ向かうリンクを設置しているとコンバージョンを失うリスクが生じる。

このように要素の削除は、要素の追加や変更と同じぐらい効果が高い。コンバージョンを最適化する取り組みはテストと実装を繰り返すしかないのだ。
しかし、多くの中小企業・個人事業主のサイトでは、まだこの取り組みにまで至っていないのが現実だ。
あなたのサイトはコンバージョンを高めるためのポイントを掴んでテストを繰り返しているだろうか?

 

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