お役立ちコラム

デジタルサイネージの導入と活用事例

デジタルサイネージ

(1)デジタルサイネージとは

初めにデジタルサイネージという用語の定義について記述いたします。一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアムでは「デジタルサイネージ(Digital Signage)とは、屋外・店頭・公共空間・交通機関など、あらゆる場所で、ディスプレイなどの電子的な表示機器を使って情報を発信するシステムの総称」と定義をしています。
デジタルサイネージは近年、街中の様々な場所で確認することができますが、設置場所の事例としては、駅や空港等のビルの壁面に設置された大きなディスプレイに広告表示する電子看板・電子掲示板や、デパートや飲食店、企業のオフィス内でディスプレイやプロジェクターを使った案内表示等があります。従来の紙媒体による掲示手法とは異なり、デジタルサイネージでは様々な情報をタイムリーに配信する事ができるため、時間や空間の有効活用として優れた、新しいコミュニケーションツールとして注目されています。

(2)屋外広告物の規制について

デジタルサイネージ設置に関する重要な注意事項として、屋外で広告表示の用途として使用をしたい場合は、各自治体が定める「屋外広告物条例」の規則に準拠する必要があります。
具体的な例として、東京都では「東京都屋外広告物条例」を規則として定めており、東京都都市整備局の公式WEBサイト[※1]にて、屋外広告物の許可・相談等のお問い合わせ窓口の情報を公開しているため、事前に設置場所等の内容について確認することをお薦め致します。
東京都で屋外広告物の出せるところ(許可区域)と、出せないところ(禁止区域・禁止物件)に関する規則については、東京都都市整備局にて情報公開されている「屋外広告物のしおり」を確認することができます。
[※1]東京都都市整備局の公式WEBサイト
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kenchiku/koukoku/

導入の流れ

次に、デジタルサイネージの導入の流れについて説明します。

(1)企画立案

デジタルサイネージのシステム導入の企画立案を行います。自組織の「課題を分析して、期待する効果を設定」しながら、どの様な目的や用途で、誰に対して情報を発信するのかを検討します。例えば、紙媒体のポスターや掲示板の代替え手段として、ディスプレイまたはプロジェクターを使った商品やサービスの説明をお客様に対して訴求を行う事によって、新規顧客の購買行動に繋がるように訴求をしたいというビジネス目的の場合、デジタルサイネージによる静止画や動画の配信等を行った結果として、どの様な成果が得られたのかを評価指標として具体化しておくことが導入後の改善を行ううえで重要です。
自組織でデジタルサイネージのコンテンツ作成や配信等の運営を継続して管理する事が難しい場合は、外部の専門業者に企画提案や見積依頼を行い、ワンストップソリューションを提供している企業からサポートを受けることも有効です。デジタルサイネージ機器のレンタルを行っている専門業者もいる為、ビジネス目的に応じて機器のレンタル活用や、中長期的なランニングコストを考慮した導入の検討が必要です。

(2)ディスプレイ等の選択

屋内または屋外(各自治体が定める条例に準拠していること)での設置スペースに応じた外形寸法や重量の確認、電源の確保、設置工事の作業内容や初期費用、機器故障等の障害発生時のサポート内容を確認します。
デジタルサイネージの「ビジネス活用の目的」を達成するうえで重要な「コンテンツ作成・管理」に関する各種機能や、コンテンツの配信方法(有線または無線によるネットワーク通信の条件)、販売価格等の各条件を確認したうえで、最適なディスプレイ等の機器を選択します。ディスプレイに対して、STB(Set Top Box)と呼ばれるデジタルサイネージ用の専用コントローラーが、別売りで必要となる場合があるので、併せて確認をしましょう。

(3)コンテンツ作成

パソコン機器等からデジタルサイネージの管理用の画面(CMS:コンテンツ・マネジメント・システム)を表示して、コンテンツを作成・編集することができます。写真等の静止画に対して、テキストやBGM等のデータを加えて連動再生を行うようにコンテンツ作成をしたり、商品やサービス等の説明を目的としたオリジナル動画データを準備して、動画データをディスプレイ上で配信したりする事ができます。他にもデジタルサイネージの機種にもよりますが、コンテンツの訴求力を高める為に有効な「業種別のテンプレート(例:飲食店、医療機関等)」機能や、デイリーコンテンツとして「ニュースや天気予報」等の最新情報を配信することのできる機能を具備する機種等があるため、目的や用途に応じたコンテンツの準備が必要です。

(4)コンテンツ管理

デジタルサイネージのコンテンツ管理として、ロケーションとして「同一フロア、各階層別、別店舗ごと」に設置されている複数のデジタルサイネージ機器に対して、一斉にコンテンツをクラウド配信ができる機能や、スケジュール設定で「時間や日別、ディスプレイ別」にコンテンツの配信や再生を行うことのできる機能を具備している機種等があります。
他に、デジタルサイネージの本体のUSB端子にUSBメモリを差し込んで、SDカード内のコンテンツを追加・上書き更新することのできる機種等もあります。コンテンツ管理を含めたシステム運用が容易であることが、導入検討時に考慮すべき重要なポイントとなります。デジタルサイネージの導入後は、期待する効果(例:実店舗での商品やサービス等の売上や集客数のUPに繋がっているかなど)について、定期的に確認をしながら、必要に応じて改善を行い、コンテンツ管理の最適化を行う事がビジネス成果を高める為に重要です。

活用事例

デジタルサイネージの代表的な活用事例について、3つの分類に層別して説明します。

(1)広告

広告は、デジタルサイネージの設置者(ロケーションオーナー)が広告運営会社を通じて広告料を支払い、デジタルサイネージを通じて屋外や店頭などで対象商品やサービスに関する広告配信を行う事を目的として活用します。

(2)販売促進

販売促進は、自組織の商品やサービスの認知度を高めることを目的とした訴求や商品検索の支援、独自のキャンペーン告知による集客など、デジタルサイネージを通じて購買行動の促進を行う事を目的として活用します。

(3)インフォメーション

インフォメーションは、ニュースや天気予報、為替や株価、防犯災害情報、館内のフロアガイド、イベントスケジュール、教育コンテンツの配信など、デジタルサイネージを通じて情報提供することを目的として活用します。

下記の図は、デジタルサイネージの活用事例の中の販売促進に関するイメージとなります。

  • パソコン機器等からデジタルサイネージの管理用の画面(CMS:コンテンツ・マネジメント・システム)を表示して、コンテンツの配信スケジュールを設定します。
  • コンテンツの配信スケジュールに合せて、デジタルサイネージのディスプレイで静止画や動画等のコンテンツが再生します。
  • ディスプレイに表示された商品の良さを訴求するコンテンツを見て関心を持った顧客は、実店舗に訪れて商品を購入しようと行動に至るきっかけ創りを目的とした販売促進の施策の一例となります。

 

デジタルサイネージの導入

 

まとめ

本稿では、デジタルサイネージ導入の流れや活用事例について説明を致しました。
デジタルサイネージを活用する事によって、紙媒体で掲示や配布をしていたPOP等の印刷コストを削減することができ、動画や音声情報などを素早く、多くの見込み客に対して商品やサービスの魅力を豊かな表現で訴求する事ができるようになります。
また、事前にコンテンツを複数用意しておく事によって、訪日客への商品説明として他言語メニューへの切り替えを行うことで、表示された情報を理解する事ができ”おもてなし”に繋がるさりげない気配りとして顧客満足度を高めることとなり、結果として新規顧客の拡大に貢献したり、タッチパネルによる商品検索によって、顧客の購買行動を円滑に促進したりする等の成果が得られるようになります。
業種・業態によっては様々なビジネスシーンで、デジタルサイネージを活用する事によって、ビジネス成果に貢献することができます。是非、皆様も実践して成果を上げて下さい。

執筆者

黒石 悌黒石 悌(くろいし なお)

東京都内のIT関連企業に所属し、新規サービスの開発から運用・改善までの複数プロジェクトを歴任する。”ビジネスとITの橋渡し”を主眼としたコンサルティング実績として、通信系(営業マネジメントのWEBサイト)や金融系(WEBシステム)の開発プロジェクトとあわせて、企業における内部統制の整備や ITSMS規格、PMS規格の認証取得支援等の実績を持つ。

2016年4月より、東京 商工会議所のWeb戦略パートナーとして活動中。

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