お役立ちコラム

コスト削減に効果あり!Chromebook・Chromeboxのビジネス活用

「皆さんの会社のパソコン、OSは何をお使いでしょうか?Windows? Mac? それともLinuxでしょうか?」

 

Windows7のサポート終了を2020年1月に控え、社内の業務用パソコンの見直しを迫られている企業の方々も多いことと思います。移行先としてはWindows10が搭載されたパソコンを選択されるケースが多いと思いますが、一方でコスト削減やセキュリティ強化の観点などから、ChromebookやChromeboxを採用する企業も増えてきています。
「えっ、それ何?」という方がおられるかもしれませんが、皆さん一度はブラウザとしてChromeを利用されたことがあるのではないでしょうか?Chromebook・ChromeboxはChromeブラウザをメインのインターフェスとして利用するパソコンであり、最近では国内でも企業の業務用途に活用されることが多くなってきています。

 

メールとインターネット、ワード・エクセルぐらいにしかパソコンは使わない、といった方々も社内には多いはずで、そのような利用形態にはChromebook・Chromeboxはまさに打ってつけの選択肢と言えます。また、クラウド化が進み業務用のソフトウェアもブラウザ上で動作するサービスとして提供されることが多くなっていることから、利用者の業務内容によってはChrome端末で十分賄える場合も多いと思われます。

本稿では、Chromebook・Chromeboxのビジネス活用について解説を致します。

 

Chromebook
chromebox

 

Chromebook・Chromeboxとは

Chromebook、並びにChromeboxは、Google社が設計・開発を行うオペレーティングシステム「Chrome OS」を搭載しているパソコンです。ノートパソコンはChromebook(クロームブック)、デスクトップパソコンはChromebox(クロームボックス)と呼ばれています(以降では、ChromebookとChromeboxをあわせて、「Chrome端末」と記載します)。

 

Chrome端末では、基本的に全ての作業をブラウザ上で行うことが想定されています。操作方法はWindowsパソコンと大きな違いはありませんが、メールやドキュメントの作成、業務システムの操作などは、ブラウザのChrome上で行う形となります。

 

Chrome端末のデスクトップ画面
Chrome端末のデスクトップ画面
文章作成などもブラウザ上で行う

また、Chrome端末ではデータの大部分は端末内部には保存せず、クラウドストレージ(Googleドライブ、Dropboxなど)に保存することになります。

 

このようなある意味、制約はあるものの、その設計思想により生み出される「安さ」「快適さ」「管理のしやすさ」が評価され、米国の法人・教育機関を中心に利用者が増えています。特に、米国のK-12(幼稚園から日本でいう高校3年生まで)を対象とする教育市場では、2017年の出荷台数ベースで約60%と圧倒的なシェアをとっています。

Chrome端末のメリットとデメリット

企業内の業務で利用するという観点で見た場合、Chrome端末のメリット・デメリットとして次のような点が挙げられます。

【メリット】

起動が早く、ハードウェアのスペックが低くても動作が軽快
Chrome端末は、電源ボタンを押して数秒ほどでログイン画面が表示され、すぐに使い始めることが可能になっています。これは、Windows OSやMac OSのように利用できるようになるまでに多くのサービスやプロセスの起動が必要、ということが無い為です。また、殆どの操作をChromeブラウザ上で行うことになる為、ハードウェアのスペックが低くても快適に動作しますので、作業の効率化につながります。
製品価格が安い
端末の価格は、同等の処理速度を必要とする場合のWindowsパソコンの半額程度(2〜4万円程度が価格帯の中心)であり、導入コストを低く抑えることが出来ます。作業の殆どをブラウザで実行する形であることからCPUは低スペック、メモリも4GB程度あれば十分であることや、データの大部分をクラウド側に保存することにより大容量のハードディスクやSSDを必要としないことが低価格化につながっています。
セキュリティに強く、データ管理が簡単・安全
Chrome OSにはウイルス対策機能が標準で搭載されており、インターネットにつなげると自動更新が行われ最新のウイルス対策が施されます。その為、利用者側でウイルス対策ソフトをインストールするといった対策を行う必要がありません。また、データは基本的にクラウド側に保存し管理されることになりますので、端末の盗難や紛失があった場合でも、端末側からのデータ漏洩や紛失のリスクは極めて小さいです(盗難・紛失の際には、リモートからChrome端末内のデータを消去したりメモリを初期化したりすることも可能です)。
運用管理が容易
複数台のChrome端末を集中管理する為のサービスとして、「Chrome管理コンソール」が提供されています(有償)。企業内でChrome端末を各社員に配布するような場合には、利用者/端末の管理や制御、アプリケーション/拡張機能の配布などを管理者が一元的に行うことが可能です。

【デメリット】

インターネットに接続していないと、出来ることに制限がある
Chrome端末はオンライン上のクラウドサービスを利用することを前提に作られている為、インターネットに接続していないと出来ることには制限があります。過去に受信したメールの閲覧や新規メールの作成、ワープロ(Googleドキュメント)、表計算(Googleスプレッドシート)、プレゼン資料作成(Googleスライド)などはオフラインの状態でも出来ますが、それ以外では基本的にインターネットへの接続が必須となります。その為、業務での利用においてはインターネットへの常時接続の環境が不可欠と言えるでしょう。
Windows・Macのアプリケーションを使用することが出来ない
基本的にソフトウェアをインストールして利用するという想定がされていない為、Windows、もしくはMac用に提供されているソフトウェアでChrome OS向けにもリリースがされているものは殆どありません。その為、Chromeウェブストアから入手可能な ChromeアプリやAndroid向けに提供されているアプリで代替することになるのですが、現実的には機能が満たせない場合も多いです。
例えば、マイクロソフトのOffice(ワード/エクセル/パワーポイント)に関しては、GoogleからGoogleドキュメント/スプレッドシート/スライドが提供されていますし、マイクロソフトからはAndroid用のOfficeアプリが正式に提供されています。しかし、現状では両方ともOfficeのファイル形式上では100%互換性がある訳ではなく、また高度な機能も提供されてはいません。その為、業務上Officeのファイル形式での作業やデータの受け渡しが必須となる場合は、Chrome端末を適用することは難しいと言えます。
Googleクラウドプリントでしか印刷が出来ない
Chrome端末から印刷を行うには、「Googleクラウドプリント」と呼ばれるインターネットを介して印刷を行う方法しかありません。その為、「Googleクラウドプリント」に対応したプリンターを用意するか、或いは既存のプリンターが「Googleクラウドプリント」未対応の場合はWindows/Mac/Linuxパソコンを経由して出力する必要があります。
国内で購入可能な製品が限られている
2018年11月時点において、日本国内で正規に販売されているChrome端末の種類は限られおり、国内メーカーにより製造・販売されている製品はなく、海外メーカー製のもののみが購入可能な状況にあります。

Chrome端末が向いている業務、向いていない業務

Chrome端末で提供されている機能やアプリケーション、並びに上記のメリット・デメリットをふまえますと、Chrome端末が向いている業務、並びに向いていない業務は次のように考えられます。

まず、Chrome端末が向いているのは、次のような作業のみで賄う事が可能な業務、となります。

  • メールの送受信
  • 予定表管理/共有
  • 文章作成/表計算/プレゼンテーション資料作成
  • ビデオ会議/ビジネスチャット
  • Chromeブラウザで動作する業務システムを使った作業

一方で、Chrome端末が向かないのは、専門性/特殊性の高いソフトウェアの利用が必須となる業務であり、例として次のような業務が挙げられます。

  • クリエイティブ系の業務(Photoshop/Illustratorなどを使用)
  • 設計業務(CAD/CAMなどを使用)
  • 医療業務(電子カルテなどを使用)、など

また、Windows/Mac/Linux上でしか動作しない業務システムを利用する場合やマイクロソフトOfficeでの作業が必須となる業務にもChrome端末は適用が困難と言えるでしょう。

おわりに

今回は、企業内での利用を前提としてChrome端末の特徴や適用可能な業務ついてご紹介をしました。
Chrome端末は、その設計思想により利用出来る機能範囲が限られている為、用途が限定されやすいパソコンです。一方で、利用用途さえ満たされればChrome端末を適用することによって、作業の効率化やコスト削減、セキュリティリスクの軽減などを実現することが可能です。今後、社内のパソコン環境の見直しを行われる際には、皆様の会社でも是非、選択肢の1つとしてChrome端末の導入を検討されることをお勧めします。