お役立ちコラム

「慣れ」によって無駄な業務が定着していないか? チェックリストで点検してみよう

「慣れ」によって定着してしまった無駄が生産性を低下させる!

「慣れ」のいい面、悪い面

今回のテーマは、「慣れ」です。仕事に慣れる、組織に慣れるなど、「慣れる」は、いい意味で使われることが多いと思います。新入社員が徐々に仕事ができるようになってきたと感じたとき、「〇〇君も、大分仕事に慣れてきなぁ」などと思ったりするものです。

ただ、「慣れる」ことは、必ずしもいいことばかりではありません。
業務をICT化する場合、大抵、まず初めに業務の実態を調査します。調査において、作成している資料を見せてもらい、その利用目的や利用者を尋ねます。おおよそのことは回答してもらえるのですが、詳しく尋ねると、作成している資料の中には、利用者にどのように利用されているかが曖昧で、必要性に疑問のあるものがいくつか出てくるものです。また、資料そのものは必要なのですが、資料の一部にどのように利用されているか不明な情報が含まれていることもあります。このようなことは、割とよくあるのです。

何故、そのような状況でも資料を作り続けているのか、突っ込んで尋ねると、大抵は、「今まで作っていたから」という回答が返ってきます。今まで作っていたのだから、これからも作り続けるのが当たり前になってしまっているのです。そう、このような状態に慣れてしまっているのです。
厳密な言葉の定義は脇に置くとして、このように惰性ともいうべき状況を生み出す「慣れ」もあるのです。「慣れ」には、何も考えなくなる、あるいは、問題に気付かなくなるといった負の側面もあるのです。
どうしてこのようなことになるのでしょうか?

何故、無駄が定着してしまうのか

当初は明確な目的があって作った資料が、時間の経過とともに必要性が薄れ、やがて殆ど必要なくなったのにそのまま作り続けていたり、あるいは、簡素化できるのにややこしい資料を作り続けていたりすることは、実際によくあります。どうしてなのでしょう?
例えば、会社の経営層に提出する資料の場合、資料の作成担当者は、その資料の利用目的をよく理解できてないことがあります。このような場合、資料作成担当者は、当然、何が無駄なのかは分かりません。そして、資料を受け取った経営層が、資料作成の担当者が利用目的を十分には理解できていないということを、理解していないとしたら、無駄があっても改善されない可能性大です。
このようなケースでは、資料を利用する側が、資料が不要、あるいは、この情報は不要といったことをはっきり告げない限り、無駄は定着してしまうのです。
また、業務の担当が変わった時など、後任者が前任者からの引継として漠然と作り続けることもあります。漠然と引き継いだがゆえに、いらないとまでいかなくても、資料を簡素化できるのに放置しているケースも多く見かけます。このようなケースでも、やはり、無駄は定着してしまいます。

これらの例のような状況を容認したり放置したりすれば、業務の非効率化や品質低下を招いてしまいます。

これで分かる!業務の効率化や品質向上を妨げる、「慣れ」によるBADチョイス

さて、あなたの組織に「慣れ」による無駄が定着してしまっているかどうか、あなたは把握していますか?
「大丈夫。わたしの組織には慣れによる無駄はない」と思ったとしても、以下のチェックリストで念のため確認してみてください。もしかすると「慣れによる無駄はないと思い込んでいた」だけかもしれませんから…
以下のチェックリストに当てはめてみて、もし、答えが一つでも“No”なら、「慣れ」から来るBADチョイスにはまっている可能性大です。そうならば、生産性低下という悪影響が間違いなくあるはずです。

チェック1:報告関連の資料の作成の手間を定期的に確認していますか?
資料を作るのにどの程度の手間がかかっているか確認することは、実際には殆どありません。その資料には、それだけの手間をかけて作る価値がありますか?もっと簡素化できるのでは?
作り始めた当初は手間がかかっていなかったのに、会社の仕組みや取引の変化などから、年月の経過とともに、手間がかかるようになる事例も多く見かけます。
このような問題意識をもって資料の必要性を確認していないなら、無駄な業務をし続けているBADチョイスの状態に陥っているかも。定期的に確認しましょう。
チェック2:報告関連の資料が、その後どのように活かされているか定期的に確認していますか?
大抵は作られた資料を誰が見ているのかは分かっているのですが、何を見て、その結果、どのような行動に繋げているのかまで、はっきりと確認できていることは、実はそれほど多くありません。特に、作成されてから相当の年月が経過している場合に顕著です。
もしそうなら、無駄な業務をし続けているBADチョイスの状態に陥っているかも。定期的に確認しましょう。
チェック3:取引先から求められ提出している資料の必要性について定期的に確認していますか?
それほど多い事例ではありませんが、手間をかけて取引先に提出している資料が実は不要だったということがあります。取引先内で必要性が薄れたのに先方の担当者が忙しくて伝え忘れられたり、担当変更時、後任の担当者は前任からの引継として漠然と受領していたりということもあるのです。そうだとしたら、無駄な業務を放置しているBADチョイスの状態に陥っています。担当営業の定期訪問の際などに確認するといいでしょう。

如何でしょう。皆様の組織が、ここに挙げたBADチョイスに一つでも該当するようなら改善を検討して下さい。

もちろん、仕事に「慣れる」こと自体が問題なのではありません。習熟度が高めれば生産性も高まりますから、そういう面では多いに結構なことです。
「慣れる」ことで何も考えなくなったり、問題意識が欠けてしまったりすることが問題なのです。
上記のチェックリストのような観点で定期的に見直していれば、「慣れ」によって無駄が定着することはなく、業務の効率や品質の低下を防げます。

以上、「慣れる」ことで無駄が定着し、それが産性を低下させてしまうということを中心にお話ししました。ここに示したことについて、「ひょっとしたらうちの組織も…」と感じる方は、ぜひ、現状を確認してみてください。そして、確認の結果、問題が発見されたなら、改善に取り組んでください。

改善の仕方ですが、まずは、定期的に見直すための仕組みを創ることをお勧めします。仕組みでは、調査する対象物や調査時期、調査担当などを定めます。そして、その仕組みにのっとって定期的に確認を行い、問題点や改良点を見つけて改善していくといいでしょう。
定期的に行う習慣をつけないと、無駄は知らぬ間に蓄積されていってしまいます。習慣化することは決して簡単ではありませんが、無駄の改善のためにはとても効果的です

本コラムを参考に、「慣れ」がもたらす無駄を、あなたの組織の中でも探してみてください。無駄を見つけることができれば、みなさんが所属する組織の生産性向上のきっかけになるかもしれません。本コラムを業務改善のヒントとして活用して頂ければ幸いです。