お役立ちコラム

安定収益を生み出すサブスクリプションの考察と事例

 「サブスクリプション(subscription)」は日本でもここ数年で急速に広がっています。最近よく耳にするようになり、多くの企業がサブスクリプション型のビジネスモデルを取り入れ、急成長を遂げています。

「サブスクリプション」とは、大きく捉えると「定期購入」「定額制」「会費制」「ストックビジネス」の4つに分けられます。

しかしながらよく考えると、目新しいものではないと気づきます。家賃や光熱費、新聞、雑誌などの定期購読、そしてAmazonプライムや動画配信サービスなど何かしらのサブスクリプションの恩恵を受けているのではないでしょうか?
では何故サブスクリプション型のビジネスモデルがこれほど重要になっているか。

みなさんは、商品を手に入れる、サービスを利用する際にどのように選び、購入するでしょうか?
私自身は書籍を購入するとき、実店舗に足を運び、内容を確認します。しかし購入するのはインターネットです。

何故このようになったのかを以降で考えていきましょう。

1.多彩な分野で広がるサブスクリプション

ここまで広がった一番の理由は、インターネットの普及です。インターネットによって、ニュースや動画や音楽など様々なものが無料で閲覧できるようになりました。人の関心事は「体験」に移り変わり、「モノ消費からコト消費」へ移行してきました。要するに消費体験そのものに「ストーリー」を求めるようになってきています。

2.なぜサブスクリプションが重要なのか?

ビジネスモデルは「フロー型(労働集約型)」と「ストック型」に分けられます。サブスクリプションは「フロー型」に分類されます。「フロー型」のビジネスモデルは単発で仕事を受け、販売で収益を上げますが、継続的に売り上げをあげることは難しく、安定した収入を上げることは非常に大変です。でも大抵はこのビジネスモデルに頼っているのではないでしょうか。
ストック型のビジネスモデルの場合、継続的な収入が見込めるため、事業計画を比較的容易に立てることができます。有名なところでは、Adobe(photoshop、illustratorなど)であったり、マイクロソフト(Office 365)などもこの形態のビジネスを取っています。大手だからできると考えがちかも知れませんが、そんなことはありません。次にサブスクリプションの失敗事例と成功事例を見ていきましょう。

3.サブスクリプションの失敗事例と成功事例

3-1.失敗事「Dollar Shave Club」

サービス開始直後はアメリカの「Dollar Shave Club」の日本版とメディアでも取り上げられたものの、事業としての継続が難しくなりました。

同サービスは6枚刃の替え刃3つが毎月送られてくるプレミアムプランが月800円、4枚刃の替え刃3つが毎月送られてくるスタンダードプランが月600円、2枚刃の替え刃4つが毎月送られてくるシンプルプランで月100円という価格設定でした。

2018年12月現在Amazonで替え刃を調べてみると、Shickの5枚刃(本体+替え刃17個付)が2,990円でした。

本体を除くと替え刃1枚あたりの単価は約176円になります。替え刃3つでも527円という事になり、「Tokyo Shave Club」の4枚刃1ヶ月分よりも安価に5枚刃が購入できることになります。

あまり金銭的なメリットはなさそうですが、カミソリ負けというお悩みは確かにあると思います。

しかし、月3回替え刃を取り替える人はどの程度いるのでしょうか。利便性はありますが、週末に買ってしまえば当面は買う必要がなくなってしまい、便利さという面では顧客のメリットは薄く、サービスは残念ながら前述の通り終了しました。

3-2.失敗事例「AOKIホールディングス」

「AOKIホールディングス」が展開していたスーツのサブスクリプションサービスである「スーツボックス」のサービス終了が発表されました。このサービスは、月額7800円(税別)からで、顧客の好みや身体のサイズに応じてスタイリストが選定したスーツやシャツ、ネクタイのセットが届くというサービスです。しかし2018年11月、サービス開始後わずか半年で撤退が決定しました。

2018年12月13日をもってすべてのBoxの手配を終了し、12月21日に会員ページも閉鎖しました。

撤退の理由として、一つ目は、20代・30代をターゲット層としていたものの、実際の利用者は、40代が中心だったことです。40代はAOKIの既存事業の顧客の中心です。スーツの購入者減にさらなる追い討ちをかける可能性すらありました。

二つ目は商品構成が難しいということです。顧客が満足するだけのデザインやバリエーションを、社内だけで用意できませんでした。低い顧客満足度は短期間での解約、さらにはLTV(顧客生涯価値)の低下や新規顧客獲得コストの増大に結びついたことがあげられます。

そして三つ目は運用コストです。物流コストを省くため、外部の倉庫代行サービスを利用するなどしましたが、それでも運用コストは想定内に収まりませんでした。

そして最後4つ目として、事業単体での収益確保の難しさから、AOKIの既存店やECサイトなどとの相互送客を試みたが、十分な効果が得られなかったことです。

4.成功事例

4-1.ラクサス・テクノロジーズ

Laxusは月額利用制の高級バッグ無制限・使い放題サービスです。会員数は30万を獲得しています。
女性向けで月額6800円、57ブランド・約3万種類のバッグの中から好きなものを選び、つかうことができます。送料・返送料は無料で、借りたバッグを返却すれば、別のバッグに何回でも変更可能です。

エルメス、ルイ・ヴィトン、シャネルなど輸入ブランド中心に取り揃えているそうです。

高級ブランドバッグのレンタル事業から、2015年にサブスクリプション・ビジネスに進出しています。2019年7月現在で約30万人、有料会員2万人という事業規模に拡大しています。

4-2.株式会社U-NEXT


U-NEXTは、月額1990円で、ビデオ、ブック、雑誌、音楽まで楽しめるオールインワンのサービスです。

2006から動画配信事業を手掛けてきた、草分けともいえる存在です。

2015年前後からHulu、Netflix、Amazon Prime Videも日本に進出し、台頭してきています。

アップされている動画は15万本。U-NEXTでは様々な会員のニーズに応えるよう視聴率を見込める動画も積極的にアップし、注目を集めています。

現在1990円であり、競合他社と比べると値段は決して安くはありませんが、現在、動画や書籍・雑誌・音楽・映画割引などジャンルを超えたコンテンツを拡充し、エンターテインメントのすべてを楽しめるサービスとして、日々進化を続けています。

5.サブスクリプションで成功するためには

前述で失敗事例と成功事例を見てきました。サブスクリプションビジネスを成功させるためには、どうすればよいでしょうか?

1.誰に
2.何を
3.いくらで
4.どのくらい
5.どこで
6.どのように
7.なぜ

を考えてみましょう。

対象顧客を明確にすることで、どのような価値を提供するのか、ターゲットがはっきりします。

もうひとつは、顧客にとってお得であるのか、お悩みを解決するのか、便利であるのかを考えてください。そうすることで、顧客に選ばれ続け、安定した収益を上げ続ける仕組みを作れるでしょう。