お役立ちコラム

中小・小規模企業こそ、活用すべきロボットの社会

近年、大手や中小企業・小規模企業に限らず、業務の効率化策の一つとして、RPAと言うツールの導入・活用が盛んに取り組まれるようになってきました。RPAはロボティクス・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)の略で、主に定型的な事務作業を自動化するためのツールの事です。つまり、ロボットと言う名称ではあっても、パソコンの中で動作するソフトウェアであり、溶接したり手足などが動くようなものではありません。このRPAと言うツールを上手く使いこなす事で、業務改革を進める企業も増えてきています。しかし、今回取り上げるロボットは、まさしく顔や腕があったり、会話も出来るサービスロボットと分類される色々なロボットが、社会の様々なシーンや場所で活躍することで、私達の生活が一層豊かになる。この様な社会が始まっています。

サービスロボットとは

日本の産業界、特に自動車産業界や電機産業界などでは、大量生産の製造工程で多くの産業ロボットが活躍しており、この様な産業用ロボットの分野では日本は世界のトップを維持してきました。しかしながら、いまや多くの業種・業界で人手不足が深刻化しており、更に本年4月からは中小企業も残業規制が本格化され、これまでの業務の仕方ではない改革が求められています。その様な中、これまでの大量生産の製造業ではなく、多くの業種でサービスロボットの活躍が始まっています。

Wikipediaによれば、サービスロボットの主な種類として、以下が挙げられています。
・レスキューロボット・医療用ロボット・清掃ロボット・壁面作業ロボット・警備ロボット・案内ロボット・車いすロボット・すしロボット
これらは何れも、人の代わりに作業することで、人手では困難や危険な作業を行ったり、正確な出来栄えや効率向上に役立つなどの効果が期待されます。
そして、これらサービスロボットの活躍出来るシーンや作業が多岐に広がりを見せており、大手企業だけではなく、中小企業や小規模企業でこそ、いち早く利用することで、人手不足や作業品質の向上・安定化により、ひいては低コスト化にも貢献できるようになってきています。

様々な業種・業界での活用例について

1.中食・外食産業での活用例
下膳用自動搬送ロボ
図.下膳用自動搬送ロボ
ハンバーガーチェーンのB社では、休日夕方以降の繁忙時間帯に、食事を終えた客席の下膳作業に、自動搬送ロボットの導入を試行しています。そもそも人手不足のおり、スタッフが下膳作業とテーブルの清掃・待ち客の誘導・注文取りなどの作業をする中で、下膳すべき食器類を自動搬送機に乗せるだけで、自動搬送ロボが厨房に自動的に運んでくれる。このことにより、スタッフは早々にテーブルセットを済ませられ、これまでよりも早く待ち客の案内が可能となりました。これにより、繁忙期の利用客回転率が上がり祝日の売上増になっただけでなく、接遇時間に余裕が出来て利用客からの反応も良くなったとの事です。

 

 

 

2.来店客への案内活用例
マーケティング支援ロボ
図.マーケティング支援のZUKKU
様々な施設では来店客への個別の案内などにより、適切な目的に対する誘導が重要となっているものの、スタッフを配置するのはコストや人手不足のため困難です。その様な場所で利用が始まっているのが案内ロボです。(株)ハタプロ・ロボティクスは、ZUKKUと呼ばれるみみずくを模したマスコットの様なセンサー付きロボットとタブレットの組合せで人の接近を感知し、積極的な案内と適確な誘導に役立っています。
またマーケティング支援機能として、質問の種類や訪問先・時間帯別来客数など、施設運営に活かすためのマーケティング分析情報の提供もサービスされるようになっています。
アナウンス姉妹ロボ
図.アナウンスロボのしおりん・このは
一方、アバターと総称される疑似ロボットの活用も色々なイベント等で見かける様になってきました。THK(株)と(株)リードジェンが実証を進める少女アバター姉妹(しおりん・このは)は、全国のイベント会場でアナウンスロボとして、案内・誘導や司会進行役を担っています。

 

 

 

 

 

3.ビルメンテナンス清掃作業での活用例
床面清掃ロボ
図.床面清掃ロボ
ビル・オフィス等の清掃作業は、人手が必要な業務であるが、人手不足のため業務が回らない事態が深刻化している。清掃業務は多岐に亘るが、例えば床面清掃などの比較的ロボットが自律的にこなせる作業と、どうしても人手が必要な作業とを分離することで、作業の一部でもロボットに置き換えることにより作業負荷の軽減に繋げる取組みも始まっている。

 

 

 

 

4.買い物支援ロボとしての活用例
街中自動追尾ロボ
図.街中自動搬送ロボ
Piezo Sonic社が提案する街中自動搬送ロボットは、人を検知して自動追尾する機能を有しており、買い物をした際に荷物を載せて人の後ろを追尾することで、重い荷物を持つことなく、運搬が可能になると言うコンセプトを提示している。

 

 

 

 

 

街中を自動追尾するロボ
図.街中追尾コンセプト
現時点では、公道を自動搬送ロボが走行することは、様々な規制があり、今すぐに実現出来る訳ではないが、この様なコンセプトを持った様々なロボットが街中を行き交い、人の役に立つ社会も面白いのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

中小企業がロボットを導入して成功するポイントとは

ロボットは導入するだけでスピードUPにより特に産業用ロボットでは生産性向上と作業の安定化による一定の品質確保が可能となります。しかしながら、ロボットはそれまで人が行ってきた作業を全て代替できるとは限りません。もし実現出来るとしても、そのための細かな制御や機能開発でコスト増となってしまいます。
上記の清掃ロボットのように、これまで全て人が行ってきた作業の一部でもロボットでこなす事が出来れば、その分の効果は期待されます。また、ロボットに任せる作業と人が行う作業を分離するなど、単に導入するだけではなく導入後の運用として見直す事により、更なる効率向上も見込まれます。

.塗装ロボットの作業環境(ロボット稼動場所:左、前段取り作業場所:右)

神奈川県内に立地する塗装加工業の(株)SAKAEでは、2018年の塗装ロボット導入を機に、これまで人が行ってきた一連の作業の中で、ロボットが塗装する間に前段取り作業としての除電・除塵作業を並行して作業することにより、タクトタイムを約25%向上させることも実現した。これらの取組みにより、導入前に計画した収益向上を短期間で達成することにも繋がりました。

この様に、単にロボットを導入するだけでなく、使い方を工夫することで、より高い導入効果が得られることが実現されると言えそうです。

今回、例示した内容は、いま様々な業種・業界で始まっているサービスロボットの活用による人手不足対策・業務改善です。この他の業種等でも、多くの活用が進められており、次回のコラムでも続編として掲載致します。

(掲載情報の出展元)
・下膳用自動搬送ロボ:
>ニチワ電機(株)公開情報
・マーケティング支援ロボ:
>(株)ハタプロ・ロボティクス公開情報
・アナウンスロボ:
>(株)リードジェン公開情報
・床面清掃ロボ:
>東京美装興行(株)公開情報
・街中自動搬送ロボ:
>(株)Piezo Sonic 公開情報
・塗装ロボット:
>(株)SAKAE提供情報