お役立ちコラム

注目を集めるテレワーク。中小企業はスモールスタートから

近年、オフィスに通勤しなくても、自宅やカフェなどのインターネット環境を使って仕事をする「テレワーク」という働き方が拡がりつつあります。 昨年より、東京オリンピック・パラリンピックの混雑緩和の為、国や東京都では積極的にテレワークを推進してきています。 また、最近では新型コロナウィルス対策として、企業ではテレワーク、在宅勤務を推奨している企業が出てきています。 NECで、2月20日に全国およそ6万人が一斉にテレワークを実施するほか、GMOインターネットをはじめ、メルカリ、日本たばこ産業、双日、東京都など、多くの企業や団体において、テレワークを使った「在宅勤務」の実施が報道されています。 中小企業においても、多くの企業にて検討がなされています。 とはいえ「IT企業や大企業は在宅勤務ができるけど、ウチは無理」、あるいは「できるものなら在宅勤務をさせたいけど、方法が分からない」と、踏み出せない企業も少なくないのではないでしょうか。

テレワークに向いた仕事

テレワークとは、「離れた」という意味を持つ「Tele」と「仕事」という意味を持つ「Work」という言葉を組み合わせた造語で、一般に「時間や場所の制約を受けずに柔軟に働ける勤労形態」とされています。 国の定義では、「ICTを活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」とされています。 とはいえ、すべての仕事がテレワークでできるかどうかはよく考えてみる必要があります。 そこで、具体的な会社の業務を(1)デスクワーク、(2)打ち合わせ(ミーティング)、(3)オペレーションの3つに分類し、テレワークに向いている仕事、すなわちICT環境に適している仕事は何かを考えてみましょう。

(1)デスクワーク
ここでいうデスクワークは、会社の自分の席で行う各種業務のことです。 情報収集、資料調査、メール送受信、報告書・手順書・仕様書等の作成、スケジュール管理など様々な業務があります。 これらの業務は、ほとんどパソコンを使って行われていると思います。 このようなパソコンで行う業務は、ICT技術を用いることで、会社以外の場所でも行うことが可能になっています。 クラウドツール(GoogleのG Suiteやマイクロソフトの Office365 等)を用いて情報の共有を行い、自宅等からでも前述の業務を行うことが可能です。 つまり、デスクワークはテレワークに非常に適した仕事といえます。
(2)打ち合わせ(ミーティング)
各種の打ち合わせ、会議も会社の業務において大きな割合を占めています。 社内で打ち合わせ・会議、及びちょっとした調整、他社との打ち合わせ、お客様との打ち合わせ等、今までは物理的に1か所に集まって実施していました。 しかし、最近ではICT技術を利用して容易にテレビ会議が可能になりました。 以前は高価なテレビ会議システムが必要でしたが、現在はパソコン、タブレット、スマートフォンなどでも使えるツールが普及しています。 具体的なツールとしては、Skype、Googleハングアウト、Zoomなどがあります。機能的に限定されますが、無料で使えるバージョンも用意されていますので、試しに使ってみることも容易です。 この業務もテレワークに向いている業務といえるでしょう。
(3)オペレーション
自社内でしか使えないシステムの操作、実物や実機を操作して行う各種業務、工場での作業等の業務がこれに当たります。 この分野でも電子化が進んでいます。 しかし、自社内でしか使えないシステムについては、インターネットを通して外部から使えるようにする必要があります。実物や実機を操作する業務、工場での作業も、遠隔操作やロボット等の実用化が進めば対応可能かもしれません。 いずれにしろ、テレワークで行うためには、入念な準備や、実現の可能性があるかどうかを確認する必要があります。

以上のように、会社での業務のうち、すぐにでもテレワークにできるもの、準備が必要なものを切り分けて検討していく必要があります。

スモールスタートで身の丈にあったテレワークを

今、会社で行っている業務を1つ1つ確認して「テレワークが可能かどうか」という観点で検討してみてはいかがでしょうか。 この時、全社的にすべての業務を分析して進めようとすると、それだけで時間がかかり、前へ進まなくなってしまします。 ですので、テレワークと相性がよさそうで、ICTを使える部署・チームから小さく始めましょう。つまり、スモールスタートを行い、そこでいろいろ試して徐々に展開していきましょう。 例えば、営業チームが朝出社後に会議を行い、その後外回り、それが終わってから自社に戻り残業して報告書等を作成しているとすると、朝の会議と帰社後の報告書作成にテレワークを適用して、より効率的に業務を行うことができます。これにより、時間を有効活用できる上に、残業時間も削減できます。 また、デザイン会社などで、デザイナーのデザイン作成業務を在宅にて行い、データのやり取りはクラウドを使うことにより、在宅勤務が可能になります。 企業の事務系の業務で、デスクトップ系の業務が多いのであれば、それもテレワークとの整合性が高いと思われます。 このように、経営者にも社員にもメリットが高く、ICTを使うのに抵抗がない部署からスモールスタートを行い、徐々に周りにも効果を見せながら、他の部署・職種・職級に展開していき、テレワークに対する抵抗を最小限にして進めていくことをお勧めします。

最後に

最初にも書きましたが、コロナウィルス対策、オリンピック・パラリンピック対策、育児・介護等による離職対策など、テレワークの重要性は今後も増していくことは間違いありません。 中小企業にとって、「テレワークが使える」「在宅勤務ができる」が企業にも社員にもメリットがあるといえます。 そして、テレワークがあるという選択肢があることが、魅力ある中小企業の条件の1つとなっていくでしょう。