お役立ちコラム

中小・小規模企業こそ、先進技術を上手く活用しよう

本年2月と7月に中小企業で活用すべきロボットや新型コロナ禍で、新たに活用すべきロボットについて紹介してきました。今回は、今後更に利用が進むサービスロボットが、実際に社会の中で、どの様な分野でどの様に活躍の可能性があるのかを、前回に続いて解説・ご紹介いたします(前回7月1日投稿コラムと併せてご覧ください)

様々な施設等で活用が進むサービスロボット

都内各所では、新しい施設や商業ビルなどでサービスロボットの導入・活用実証実験が何度か実施されています。JR山手線の新駅・高輪ゲートウェイ駅中では、無人・キャッシュレスコンビニをはじめ、警備巡回ロボットや喫茶店に注文した飲み物を施設内の会議室などに無人で搬送するサービスなどが実施され、その有効性が検証されています。

 

また、直近の1~2か月(2020年9月・10月)だけでも、竹芝地区や羽田に出来た新しい商業施設でも、それぞれのテーマでの実証実験が実施されています。このように、東京は今や、新しいサービスロボットが、色々な場所・シーンで利用が始まっていると言えるでしょう。 特に最近は、複数のサービスロボットが同じ施設やフロア内で協調して稼働することにより、1台ごとのロボットの機能をトータルで利用するアイデアも実験されています。

その為には、上図(写真)のような制御システムも開発され、複数のサービスロボットを協調動作させることも可能となってきました。例えば、テレプレゼンスロボットと呼ばれる、人との対話を行う自動追尾機能搭載・搬送ロボットのメニュー(下図左側のディスプレイ型)で希望する商品を選ぶと、2台のロボットと前述の制御システム間で情報の受け渡しを行い、商品を格納・提供するロボット(下図右側の白いBOX型)が利用者のところまで商品を自律搬送します。利用者は予め提供されたキーコードを操作することで、注文した商品を取り出す事が可能となります。

また、この様な機能の異なる複数のロボットが互いにコミュニケーションを取りながら、例えば注文情報をもとに目的地を分かっているテレプレゼンスロボットが目的地に移動しながら、搬送ロボットを目的地に誘導する実験も行われました(右図)。この様な異なる機能のロボットの組合せにより、例えばテレプレゼンスロボットがエレベータとコミュニケーションすることで、搬送ロボットも一緒にエレベータ移動により、ビル内の別のフロアにも商品を届ける事が可能となります。
右図写真の商品を格納・搬送するロボットは、本コラム2月19日掲載でも取り上げたPiezoSonic社のMightyと言う自律搬送ロボットですが、この半年間でロボット同士のコミュニケーションも可能となりました。

 

 

施設入口での発熱者自動検知も

これらの商業施設や公的施設の入口には、消毒剤の散布提供や検温チェックを有人で実施している施設も見掛けるようになりました。これは発熱者を施設内に入れない事で、施設と言う閉空間内での二次感染のリスクを低減する試みですが、終日、担当者が交代しながら対応することも、従業員の感染リスクを高める事や人件費の増大にも繋がるため、中小規模の事業者では事実上、難しい対応とも言えるでしょう。
本コラム7月1日で取り上げたTHK株式会社(東京都)は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、来店・来場者への非接触対応・案内のテレプレゼンスロボットは、自動検温の判定フローを自動化できるようになりました。機能としては、サーモカメラによる来場者の非接触測定と、発熱の疑いがある(37.5度以上など)場合、医療用非接触体温計で再度測定し、問題なければ消毒剤を散布提供し入場を促す。もし高温だった場合、遠隔対応モードに切り替わり、遠隔アクターが個別対応を行う事が可能となりました。

 

このように様々な人が出入りする施設の入り口に、自動検温ロボットを配備出来たなら、コロナに限らず発熱で体調の優れない人を見つけるのにも役立ちそうです。例えば製造業の場合、自社の生産ラインのエントランスなどで自動検温する事により、従業員の感染リスクの低減と体調不良者の早期発見にもつながると期待されます。

 

 

 

 

これまでデジタル化が浸透していない業種の変革

様々な業種の中で、3品産業と言われる業種では、これまでICT化の導入・活用が比較的遅れているとされ、業務効率化が課題とも言われてきました。しかし、協働ロボットと呼ばれる人の作業環境で一緒に作業が可能なサービスロボットの活用は、既にその様な産業でも導入が始まり、業務効率の向上だけではなく、作業現場での3密対策としても、効果が期待されるようになってきました。例えば、株式会社アールティが提供する人型協働ロボットFoodlyは、弁当工場の製造ラインで人の隣で調理品(唐揚げ)の盛り付け作業が可能となっています(写真右図)。
これは協働ロボットと言う機能として、人の作業環境での稼働を前提に、各種センサーにより人との接触を検知したり、接触したとしても柔らかい素材でボディーを仕上げることにより、人への危害が発生しないロボットとして設計されています。
この様な協働ロボットも、近年のAI技術の進展により、不定形かつバラ積みの唐揚げを一つ一つ認識してピッキングする事が可能になりました。しかも、唐揚げの様な対象物の作業をティーチレス(教え込み作業なし)で、導入できるようになってきました。食品製造・加工用としては、コネクテッドロボティクス社が提供する、そば茹で麺ロボットは茹でる・洗う・締める、の一連のそば調理プロセスを自動化しており、これらの導入も始まっています(写真右図)。

 

 

中小こそ、先進技術を使いまくる

このように、これまでは機械化が比較的困難と言われてきた業種であっても、AIなど先進技術を上手く活用した自動化・ロボット化により、従業員の働き方改革や感染症からのリスクを抑えつつ効率向上等により利益も確保するような取り組みが、中小規模の事業者でも安価に実現できるようになってきたと言えるでしょう。

 

(掲載情報の出典元)

  • 羽田HI-CITYの複数制御ロボット制御システム:TIS(株)情報提供
  • 自律/協調型搬送ロボMighty:(株)PiezoSonic情報・写真提供
  • 非接触自動検温ロボット:THK(株)情報・写真提供
  • 人型協働ロボットFoodly:(株)アールティ情報・写真提供
  • 茹で麺機:コネクテッドロボティクス(株)情報・写真提供