お役立ちコラム

超入門!何故今DX(デジタルトランスフォーメーション)なのか?

「DX = IT化」と思っていませんか? 実は違います。

DXとは、一言でいうと「企業がデータやデジタル技術を活用し、組織やビジネスモデルを変革し続け、価値提供の方法を抜本的に変えること」です。しかし、DXで成果を上げている企業は、世界でもわずか5%とされているのが現状のようです。

実は日本でも平成30年12月に経済産業省が「DX推進ガイドライン Ver.1.0」を発表しています。
経済産業省がレポートを出すほど、危機感を表していると言えます。では何故DXが必要なのでしょうか?DXに対応できないと何が困るのでしょうか?

経済産業省のレポートでは、構造的なリスクを明らかにした上で「2025年までにこうしないと、変革に乗り遅れる」ということで、乗り越えるべき課題を整理してます。
中小企業の再編の話やデジタル庁の創設なども国が危機感を抱いていることの一環かも知れません。

DXの必要性を理解するには、今世の中で何が起こっているのか知る必要があります。世の中の変化の本質はディスラプション(破壊)とエクスポネンシャル(指数関数的)の2つです。

ディスラプション(破壊)とは?

Google、Apple、Facebook、Amazonの4社をご存知ないの方はいないと思います。ではこれらの企業がこれまで従来の産業を破壊してきたのでしょうか?

1.Google
「ググる」という言葉があるくらい、検索エンジンはGoogleというくらいGoogleを知らない人はいないでしょう。ではGoogleは何を破壊したのでしょうか?
まずはメディア産業です。従来のテレビからYoutubeに変わり、それに伴って、広告産業も破壊されました。すでに広告の出稿率を見てもインターネット上の広告収入はTVCMを抜いています。
2.Apple
Appleと聞いてイメージするのはiPhone、Macなどでしょう。映画や音楽のオンライン配信が今ほど流通するようになったのには、Appleが大きく関係しています。
レコード業界からCDが消え、映画業界からDVDが消えようとしています。
3.Facebook
Facebookは、設立して約10年で世界最大のメディアになったといわれています。つまり、メディア産業を破壊しています。
FacebookはInstagramを買収し、そのInstagramによって、人と人の交流時間を増やす一方で、それ以上の余暇時間を奪っているという意味で、さまざまな産業に破壊的な影響を与えているとも言えます。
4.Amazon
もともとオンラインの本屋から始まったAmazon。しかし今や本だけにとどまらず、色々な商品を取り扱い、小売店や百貨店から顧客を奪い続けています。Amazonが破壊した産業のひとつは小売業です。
またAmazonが破壊した産業の中には、ITインフラ産業です。データセンターやデータセンターで稼働しているサーバーを開発する会社も、Amazonが提供するAWS(Amazon Web Service)によって破壊されました。いわゆるクラウドサービスというもので、もちろん他の会社のクラウドサービスも提供していますが、ほとんどがAWS上で稼働しているといってもいいでしょう。
5.ユニコーン企業によるディスラプション
ユニコーン企業とは、評価額1100億円以上の非上場企業で、設立10年以内のベンチャー企業を指します。Uber、Airbnb、Stripe、Pinterestなどがあります。
例えば、Uber Eatsで知られるUberは起業後数年で世界最大のタクシー会社となり、日本では民泊で知られていたAirbnbは起業後数年で世界最大のホテルチェーンになったと言われています。つまり、両者も既存産業を破壊するディスラプター(破壊者)です。
現在ではITを武器としたベンチャー企業が突如出現し、ITとは無縁だった産業を破壊して市場を奪っていくということがごく普通に起こっています。
既存の産業がこのようなディスラプターから市場を守り、生き残るには、自ら変革する必要があります。これがDX(デジタルフォーメーション)の必要性が叫ばれる理由であり、経済産業省が危機感を持って取り組んでいる理由でもあります。
海外のいきなり出てきたベンチャー企業が、突如として、日本の産業を奪い去ってしまうことが簡単に起こりえる事態になっているのです。

エクスポネンシャル(指数関数的)とは?

指数関数的とは、2の10乗といった具合に急激に伸びていく動きを意味し、世の中の変化のスピードが毎年急激に加速しているということを言います。別の表現として「10倍ずつ速くなっている」と表現される場合もあります。
つまり、初年度売上100万の起業2年目のベンチャー企業が、毎年10倍で成長していくとすると、2年目で1千万、3年目に1億、4年目10億、5年目100億、6年目1000億、7年目には1兆円となります。

世の中の変化の本質の1つが「エクスポネンシャル」ということであれば、DXに取り組む企業はエクスポネンシャルの速度で変化し続けない限り、生き残れないということを意味しています。しかし、実際に既存の企業が、毎年10倍の速度で成長するのは不可能といっていいでしょう。

日本の主要産業が次々と消えていく恐怖

日本は、少子高齢化という問題もあり、産業が衰退する条件が整っています。企業の従業員という観点から見れば、熟練労働者が、高齢化によって減っていくのに対して、それを補うための若者が不足しています。
企業が売上を上げる対象としている市場も、縮小していくことは間違いないでしょう。
以前なら日本の市場だけを対象にビジネスするだけで、企業は成長することができました。しかしこれからは日本だけでは事業が成り立たない、あるいはグローバル企業とのコスト競争に負けてしまうというようになってきます。
その上に、さらにデジタル化を伴う指数関数的なテクノロジーが、これまで日本を支えてきた基幹産業や、日本の得意とする産業を葬り去っていくのが目に見えています。

日本国内のDX市場の規模は、2019年度は7912億円から2030年度には約3兆500億円と予測されています。

日本に限らず世界中で、既存のサービスが消えていき、新しいサービスに置き換わっていくでしょう。企業が生き残るためには、経営者が時代の先を見ていき、変化に気づき、そして変化していくしかないでしょう。