東商ICT相談室

IT経営とはなんですか?

IT経営とはなんですか?

IT経営という言葉は、2004年に経済産業省が使い始めた言葉で、何度かの見直しを経て最新の定義では、『ITを戦略的に使いこなし、競争力や生産性の向上を実現し、経営力アップする』こととなっています(http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/it-keiei/about/it_keiei.html)。

また、ITコーディネータ協会のプロセスガイドラインVer2では『経営環境の変化に合わせた経営改革と,ITサービス利活用により、企業の健全なる持続的な成長を導く経営手法である』と定義しています。(www.itc.or.jp/about/guideline/dlfile/itc_pgl_v2_0.pdf

 

一方は、「ITを戦略的に使いこなし、経営力をアップする」“行為”だと語り、他方は、「ITサービスを利活用した経営“手法”」だと語っています。このように、経済産業省とITコーディネータ協会では、ずいぶん違った定義となっています。そのほか、インターネット上には様々なニュアンスでIT経営という言葉が語られています。このように、いろいろな解釈がされている言葉です。ここでは、難しく考えずに字義どおりの解釈を示します。『IT経営とは、企業(広く“組織”といっても良い)の経営に情報や情報技術を生かすこと』です。

 

人類は誕生してからずっと生活環境を脅かす敵(野獣など)の情報に敏感でなくては生きていけませんでした。古代エジプト、古代ローマの時代より、敵国の情勢や動き・配備の情報を、商人や伝令(日本では忍びの者など)を通じて集めることに長けた国家・将軍が生き残ってきました。日本では、黒田官兵衛、竹中半兵衛、本田正信、柳生但馬守などは、いずれも情報参謀ともいうべき人たちで、彼らは、今流にいえばITを駆使できる人材です。

現代の企業も同じで、顧客・市場や競合企業から情報を収集・分析することで、他社に負けない企業力をつけることが可能となります。例をあげると、現代はドラッカーも語っているように、”非顧客”(潜在顧客)が重要であり、そういった人たちが何を望んでいるのかを知ることが、競争商品の動向把握とともに競争力の維持・強化に重要な要素となっています。

 

IT経営という言葉を、技術(Technology)を使って経営を行うことと受け取っている経営者も多いかもしれませんが、本当は、企業経営に情報を活用することと考えるのがよいでしょう。そして、タブレット、クラウド、ソーシャルネットワーク、データベースといったコンピュータ・システムの技術や様々なソフトウェア製品が、情報収集・蓄積・分析と発信の有力な手段であることはいうまでもありません。

回答者: 一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会 大島 正善