ICT活用企業紹介

コロナ前にICTを進めておいてよかった‼

助産院E社

企業概要

E社は、創業9年目の助産院である。現在は代表E氏(50代)の1人で切り盛りしている。助産院といっても、産婦人科と連携した一般的なお産の手伝いよりも、母乳育児や産後ケアをメインとして事業運営している。

当店の課題

当社の課題は、大量かつ煩雑になった「紙の処理」であった。E氏自身は、元々地域の大病院のキャリアを積んできた人であるため、事務処理自体は、まったく苦ではない。しかしその経験も自営業になると、その幅の広さと求められる深さが全く違う。顧客管理から会計処理まですべて1人でさばいていくことになると、今の業務にやり方では限界を感じていた。更に本人の真面目な性格も仇となって、毎日のように残業していた。

本当に解決したいことは…

必要なのはICTを使った「ペーパーレスに業務効率化」であることは間違いではなかったが、弊職と話をしているときに、アレコレと話が脱線することがあったため、敢えてそれだけに絞らず、「本当に何に困っているのか、本当に何を解決したいのか」をできるだけ丁寧に聞き取った。意外だったのは、確かに「バックオフィス系の業務効率化」は早急に解決したいことであるものの、中長期には「売上拡大・利益向上につながるICT化」が進めたいとのことであった。

【お困りごとの整理】

ITツール検討に前に

特にICTについて明るくない小規模事業者は、「ICTで何をしたいのか」「何が解決できるのか」「実際にそれは優先的に解決すべきことなのか」が整理できていない場合が本当に多い。E氏もまさにその典型的な病状に陥っており、まずそれを1つ1つひも解くことが必要であった。そこで、弊職と簡易的な現状の業務フロー分析を行い、「何にどれだけの時間がかかっているのか」「何のICT化が最も効果的なのか」を一緒に探った。

【現状の業務の整理】

業務フローで優先順位が明らかに

次に現状の業務を前提に、「ICTを使って何ができるようになりたいか」「具体的にどんなことができるか」一つ一つ整理した。ここまで整理できてくると「何から手を付ければ、早く・確実に成果が出るのか」がかなり明白になってくる。

【あるべき業務の状態】
「お困りごとの整理」や「現状業務の整理」の段階では、「何を解決したいのか」「何が無駄なのか」がハッキリさせることのみにとどまっていたが、「あるべき姿」までが具体的になってくると、「何から手を付けたら最も早く効果的なのか」の指針が決まると、話が早い。、時より曇った表情を見せていたE氏も段々明るくなってきた。

今までなんて非効率なことをやっていたんだろう…

実際、ここからE社の改善は目まぐるしかった。わずか半年で「ペーパーレスに業務効率化」によるほぼ片づけた。
具体的には、
・予約管理は、WEB予約に移行し、紙ベースの予約表管理の手間がなくなり、ダブルブッキングリスクも減少。(Airリザーブ導入)
・キャッシュレス化を進め、現金確認の手間と時間が大幅減(Airペイ導入⇔Airレジ連携)
・会計業務は、クラウド会計に移行し、自動仕分けによる経理処理時間を大幅削減。(MFクラウド会計導入⇔Airレジ連携)
を実現した。
残業が減少したこともさることながら、「今までのなんて非効率なことやっていたんだろう…」とポツリ。これがE氏の正直な感想だった。

コロナショックがあっても立ち直りが早かった

「バックオフィス系のペーパーレス」がほぼ落ち着いてきて、本来やりたかったことの一つの「売上拡大・利益向上に更につながるWEBサイトの改善」に取り掛かり始めた「2020年春にやってきたのがコロナショック」である。
E社においても、ご多分に漏れず1回目の緊急事態宣言があった4~5月には来患数が半減した。しかしながら、概ね7月まで来患数の減少傾向がみられたものの、8月以降は、想定以上の早い回復を見せている。
要因はいろいろと考えられるが、顧客から次のような声が聞けた。

  • WEB予約が取れるから便利で安心…。
  • キャッシュレスが使えるからココ(E社)にお願いすることにしました…
  • (他院に比べ)ホームページがわかりやすいから…

つまり、コロナ前に実施してきた様々な改善策が、実は「コロナ対応のICT」にもなっていたのである。

ICTに本気に向き合うために

 E氏のように真面目で向上意欲があっても「じゃ、具体的にどう進めればいいの」というところで、二の足を踏んでなかなかICTが進められない中小経営者が実に多い。逆に「具体的な進め方」さえわかれば、短期間に大きく成長できるのも中小零細企業のICTの特徴でもある。
アフターコロナにおいてデジタル化はもはや企業存続の生命線あることはいうまでもないが、弊職の意見としては「やらなければならない」のはみんな何となく分かっている、では「どうすればできるのか」を「本気になって考える時間を確保」するために、外部の指南役として商工会議所に相談するということが、今後ますます必要不可欠なってくるのだと思う。