ICT活用企業紹介

タッチパネルメニュー等の複合的な生産性向上策で2〜3人の活人化へ

和食系飲食店A店

今はどこに行っても人手不足の話題になる。特に筆者が生業としている飲食業界は、人手不足が深刻だ。採用したくてもなかなか採用できない。そうすると採用活動をしながら、今の人員で生産性を上げる施策をしなければならない。

 

今回の事例は、地方都市にある和食系飲食店A店の取り組みを紹介する。A店は、席数が約80席、その中で個室が10個ほどある広いお店だ。そして、例に漏れず、ここ数年は人手不足のため、採用活動に力を入れていたが、それでも採用がうまくできずに、本格的に採用以外の人手不足の対策も始めた。

 

タッチパネルメニューの導入等の対策でホールの人員1人〜1.5人減

 

まず、ホールから改善を始めた。3〜4人でホールを回すのが適正のところ0.5人でも1人でも減らせないかを考えた。まずは、ベルスター(呼び鈴)の活用。そして、ランチのご飯やお味噌汁等のお替わりをスタッフが対応していたのだが、ホールに炊飯ジャーと味噌汁ポットを置いてセルフサービスにして生産性を高めた。これで、ホールスタッフがピーク時で0.5人少なくてもホールが回るようになる。

 

また、紙のメニューブックと一緒に、タッチパネル式のメニューブックも併用することにした。タッチパネル式のメニューは、表示やデザインに制限があったり、画面が小さいなどで、タッチパネルだけでは伝えられないことが多い。また、年配のお客様は、なかなかタッチパネルを使ってくれないという理由もあり、紙のメニューブックを併用して使っている。実際、タッチパネルメニューを設置すると若いお客様は問題なくタッチパネルのメニューで注文してくれるようになった。もちろん、ポスレジと連動して、注文が厨房に通る仕組みとなっている。

 

今後は、この2つのメニューを組み合わせて、いかにお客様に支持されて、わかりやすく効率的するための改善を始めていく。そして、これらの施策により、ホールスタッフは、トータルで1人〜1.5人減で回せるようになった。

 

このような効率化により接客サービス低下することを危惧する飲食店もあるが、A店は、動き回ることが減ったっ分、きちんとお客様を見ることを徹底し、サービスの低下にはなっていない。

 

次の一手は、予約システムと厨房の改造、そしてメニューリニューアル

 

次に導入しようとしていることは、予約システムと厨房の改造だ。予約システムは今検討中だが、ちゃんと使いこなせば、予約の電話の対応が少なくなるために、特に歓送迎会の時期や忘新年会の時期の人手不足対策になる。また、同時に顧客リストも自動で作ってくれるので、前向きにシステム選びをしているところだ。

 

さらに、厨房の改造をすることに決めた。こちらは、投資にお金がかかるが、設備の老朽化もあり、いろいろ検討した結果、今まで厨房を洗い場入れて4人必要だったものが、最高で2人少なくても済むレイアウトに改善できることがわかった。これから工事に入るのだが、これらのホールと厨房の生産性向上の施策により、2〜3人の活人化となる。

 

最後に、そこまでできたら、メニューブックのリニューアルだ。ホールと厨房の効率化ができたことにより、今まで提供したくてもできない魅力的なメニューを導入することが可能となる。そうすると、A店の魅力が増し、売上もさらに上がるだろう。

 

まとめ

 

これからの時代、人手不足を避けて通ることはできない。だから、国も生産性向上に力を入れている。今回の活用事例でこのコラムのテーマであるICTは、現時点ではタッチパネルメニューくらいしかなかったが、ICTのみで生産性向上をするは限界がある。しかし、道具にできることは道具で、人しかできないことを人でという流れの中で、その道具ひとつとしてICTの導入は不可欠だ。だから、生産性向上の飽くなき追求の中で、必要な箇所にICTを取り入れることを考えていくといいだろう。