ICT活用企業紹介

パッケージソフトとExcelでの管理を連携、業務を効率化

建設業N社

東京を中心に電気工事を行う建設業N社は、電気設備工事を行う従業員20人程度の企業です。
創業80年と歴史があり、調査から設計・工事、メンテナンスに至る多様なニーズへのワンストップの対応力は高く評価され、地域の自治体、民間企業、個人等を相手に幅広く業務を行っています。
その為、同時並行で複数の案件が進み、1日で終わるようなものから、数十日かかるものまでと多岐にわたる案件を扱っています。
このようなことで、複数同時に進む案件の進捗情報、納期情報、原価管理情報の管理を行う必要があり、Excelとパッケージソフトで行っていました。
しかし、それぞれの情報が連携しておらず、それをマンパワーで統合した帳票を作成し、経営陣は判断材料として使っていました。
この作業には、非常に手間と時間がかかり、判断のタイミングが遅れてしまうこともありました。
また、その作業を行う従業員の負荷も高く、残業もたびたび発生してており、その点も問題となっていました。
このような中、同企業ではITを活用し、作業の効率化を実施し、迅速に正確な情報を把握、経営判断を行えるようにし、また従業員の負荷低減・残業の削減を行うために、情報連携システムの導入を行い、解決することができました。
今回は、この事例についてご紹介します。

案件管理、原価管理にパッケージソフトを導入

同企業では、古くは台帳で案件等の管理を行っていたとのことです。
その後、大型の案件については原価管理を精緻に行う必要がでてきており、建設業界向け原価管理ソフトを導入し案件管理を実施していました。
しかし、パッケージソフトですので、同社で行いたいことが全てできるわけではなかったとのことでした。その為、別途Excelを作成し、そちらにも情報を入力し管理していました。
その為、案件ごとにパッケージソフトとExcelでの2重管理を行っていました。
当初は、これでうまく管理できていたとのことですが、次第に問題が発生してきます。

パッケージソフトとExcelの2重管理で問題発生

パッケージソフトとExcelでの2重管理ですが、当初はそれほど問題はなかったようです。
案件が発生するたびに、双方にデータを登録し、変更が生じた場合にはそれぞれを修正する形で運用されていました。
この時点では、データを修正する必要がある際に、必ず両方を確認して修正する必要があるのですが、運用でカバーできていたとのことでした。
しかし、近年は案件1件当たりの規模が小さくなり、より多くの案件をとる必要がでてきました。
実際、案件は順調に増えていくのですが、売上の増加に比べ、案件数は大幅に増加していくこととなります。
この影響を受け、パッケージソフトとExcelの両方を確認して案件管理をする時間が増大します。
それにより、進捗管理・原価管理の情報が揃うまでに時間がかかり、経営判断を行うにも時間がかかるようになっていきました。
さらに、担当者はミスがでないよう慎重な作業が求められ、作業負荷も増大し残業が増加することになりました。

「連携していない情報」を「連携」させるIT

「連携していない情報」を「連携」させる為に、作業工数も増大し、その時間もかかる為、同社では対応策を検討します。
それは、簡単かつ短時間で情報の連携をするためにはどうするかという事でした。
案としては2つありました。
案1として、パッケージソフトの会社に依頼し、現在のExcelで管理している情報をパッケージソフトで扱えるようにカスタマイズするという案。
案2としては、別途連携のシステムを作成し、パッケージソフトからダウンロードしたデータとExcelのデータを新規のシステムで連携し統合する案。
機能的には案1のほうが2重入力が解消され、メリットが高いように思われます。しかし、カスタマイズの見積も高額なことが判明しました。また、今後変更があることを想定すると、変更の都度カスタマイズする必要があり、都度費用がかかることが想定されました。
案2では、パッケージソフトとExcelの2重管理が必要なため手間はかかりますが、今後の変更に対してはExcel側で対応出来る為、案1より柔軟に運用できることが想定されました。
システム開発の費用も案1よりは大分安価で、最低限の情報連携だけ(主に原価・進捗等)にとどめれば、今後の変更にも影響されることが少ないとの予測もされました。
その為、案2の情報連携のシステムを作成する方向ですすめられました。

情報連携システム開発から運用まで

情報連携システムの開発には、近隣のIT企業に依頼をしました。
やることが明確で機能も大きくなかった為、数か月で問題なく開発・本番を迎えることができました。
その後、特に問題等もなく運用されています。
これにより、今まではマンパワーでパッケージソフトとExcelのデータをみて、別のExcelシートに転記していた作業が、パッケージソフトのダウンロードしたデータとExcelのデータを取り込んで、連携させるボタンを押すだけとなり、作業工数は劇的に改善されました。
作業時間にしても、今までは1日から数日かかる作業が、1時間以内に終了するようになり、経営判断の迅速化、及び業務効率化が行え、この作業に類する残業も劇的に削減されることとなりました。

最後に

パッケージソフトを使うことは非常に効果的です。
しかし、それだけで業務をすべて賄うのではなく、他にExcel等他のシステムでの管理を行う必要があるケースも少なくないと思います。
その際、連携・管理が容易にできるように考えていくことが重要になります。
今回の事例の企業の様に、当初は問題なくても、後々外部要因等で状況が変わっていくことも少なくありません。
複数のシステムで管理、運用を行っている際は、適宜見直しを行い、効率的に業務をおこなっていきましょう。